IMFは2日発表しました対日審査レポートで、日銀の大規模金融緩和について「長期化すれば金融システムへのリスクが増える」と警告し、「マイナス金利政策は銀行の業績悪化につながり代替策をとるべきだ」と厳しく指摘していると報じられていますが、この対日審査レポートで特に注目するべきは
以下の点です。
1)物価上昇率は約1%にとどまり、日銀の目標である2%達成は困難である
2)消費税を15%にまで引き上げるべきである
3)円相場は経済の基礎的条件に概ね合致している
ここで最も注目されるのは3)の円相場です。
IMFは現在の円高を「妥当」とお墨付きを与えており、これで投機筋は大手を振って円を買い進めることが出来るのです。
仮に円買いが失敗しましても、「IMFが妥当と言っていたのだから失敗しても責任はない」となりますし、ここまで明確に指摘されては、財務省・日銀は為替介入ができるものではありません。
また、金融政策について、大規模緩和が長引けば国債市場の流動性がさらに細り、長期金利の急変動など金融システム不安が高まる」と警告していますが、昨日の日本の国債相場はまさに大荒れとなっており、一気に利回りが上昇しており、国債市場はパニック状態になっていたのです。
今後、アベノミクス対IMF対日審査レポートとなりますが、果たしてどちらに軍配があがるでしょうか?