野村ホールディングスは、5年連続で赤字になっている買収した部門を事実上閉鎖するリストラ策を打ちだすと報じられています。
リーマンショック後に買収したリーマンのヨーロッパ・アジア事業部門(約6,000人)ですが、アジア以外で1,000人規模のリストラをするとされているのです。
今4-12月期で600億円規模の赤字になっている中、一人1,000万円として1000人解雇ではさほど人件費の削減にはなりません。
今回のリストラの理由は、『世界経済の不透明感が強まり金融市場の流動性が著しく低下したため』とされており、今金融市場で起こっている水面下の異変に慌てて対応しようとしているのです。
実際には株式デリバティブ(金融派生商品)、企業調査等株式調査部門から撤退し、米国では株式の引き受けといった投資銀行業務や、株式や債券のトレーディング業務も縮小されるとされており、事実上海外から撤退するともとれるリストラ内容になっているようです。
即ち、日本国内回帰といえば聞こえは良いですが、実際には破たんしたリーマンブラザーズの「外人」を雇ってみたもののろくに働かなくて赤字が積み重なり、今までは日本国内の収益があったために外人が積みあげる赤字もさほど気にならなかったものの、今や日本国内でも売買代金が2兆円を切る日も出てきており、赤字になりつつあり、これ以上赤字は出せないとなってきたのです。
天下の野村が悲鳴を上げ始めた市場の「異変」を甘くみるべきではないと言えます。