4兆3350億円の損失(投信)と暴走

投稿者: | 2016年02月13日 09:22

昨日のNHKは先月末時点で日本の投信で4兆3350億円の損が発生しておりこれは過去3番目の損失額となると報じています。

残高は93兆5264億円となっています。

これは先月末時点の数字であり現時点では5兆円を超える損失となっているのは確実ですが、では年金・日銀はどうでしょうか? 併せれば10兆円では済まない損が出ている可能性があります。

勿論、反対に上昇している時にはそれなりの利益も出るのは確かですが、今後更なる金融崩壊が襲ってきた場合、今度は誰も救済できない事態になっており、そうなれば株式等の金融商品は膨大な損を抱えたまま長期低迷に入ることは避けられないと言えます。

前回のリーマンショック後には中国が50兆円以上の投資を行い、かつ先進国は利下げを行い、量的金融緩和を行い、これもあり世界は救われましたが、今や中国に代わる国はなく、かつ利率は今やマイナス乃至は0%になり、量的緩和をしましても一向に効果はなく、結果、危機が発生しましても出来る政策がなくなってしまっているのです。

できるのは口先介入とマイナス金利を拡大することしかありませんが、マイナス金利を拡大をすれば金融機関の業績が悪化するだけであり、かつ国債での年金運用も出来なくなり年金資金はリスクのある株を買い増すしかなくなります。

また日銀は年間80兆円の国債買い入れを行っており、国債を売った金融機関はその代金を日銀に預けて<0.1%>の高利を受け取っていますが、これがマイナスになるとなると誰が売るでしょうか?そのまま持ち続けるとなるのが自然です。

日銀は買いたい。金融機関は売りたくない。

札割れが発生することになります。

これが発生すると、日銀の金融調節ができなくなったと市場は判断し市場の「暴走」が始まります。

今、起こっているのはその暴走の「序曲」であり、それでこれだけの混乱が発生しているのです。

金曜日は株の暴落報道が盛んでしたが、その裏では報じられていない「暴走」があったのです。

国債の暴落です。

国債利回りが<0.00%>以下になったと大きく報じられていましたが、金曜日は<0.075ポイント>上昇の

<0.08%>になっているのです。

このマイナス利回り圏で国債を買った投資家はとんでもない損を抱えたことになります。

日銀のマイナス金利導入策で莫大な損をした機関投資家の「恨み」は今後更なる市場の「暴走」という形で出てくるはずです。

 

 

関連する記事