中国国務院の香港・マカオ事務弁公室の楊光報道官は以下のような発言をして警告しています
「火遊びする人々は火(注:中国軍の火器兵器の意味)によって滅びる」
「過激なデモは香港の繁栄と安定に深刻な影響を与えてきており、香港を危険な淵に陥れようとしている。」
「決して今の判断を誤ったり、中国政府の自制を”弱さ”だと誤認したりしてはならない。中央政府の断固とした決意、および巨大な力を過小評価してはならない」
「香港は極めて危険な状況に近づいており、あえて言うならばデモ隊は香港を破壊しようとしている」
よく中国はここまで我慢しているな、と思う程”自制”していますが、今回の発言をみますと、もう我慢の限界となってきており、いつ人民解放軍が投入されても不思議ではないと言えます。
また、香港の不動産は新築マンション物件の購入予約が大量にキャンセルされたり、中古物件では大幅な値下げがされたり、逃げ出そうとする投資家が殺到してきていますが、買い手はいません。
勿論、「まだ大丈夫」とする個人投資家が大半でしょうが、富裕層(大手投資家)は既に香港、中国の不動産を売却しているとされており、いつでも海外に逃げれる体制を取っているとされています。
常時、ボティーガードを家族にも付け、香港空港にはプライベートジェット機を24時間体制で待機させ、空港まではクルーザーとヘリを確保しているとも言われており、膨大なお金を使い、いざという時の保険を色々用意しているとも言われています。
それが富裕層の危機管理なのです。
どのようなお金(保険)が掛かろうともいざという時用に準備し、そのお金を惜しまないのです。
このような中、一番悲惨なのは数億円しか持っていない中堅層です。
彼らは逃げる手段も、逃げた後の生活手段も持っていないからです。
何とか海外に資産を移したいと思いましても、わずか数億円しかもそれが殆ど不動産では売るに売れずどうにもなりません。
一般以下は?となりますと、逃げようにも逃げるお金もなく、ならば香港にいるしかなく、デモに参加したり混乱に乗じて儲けようとするでしょうから関係ありません。
「超富裕層」と「準備をした者」だけがいざという時に生き延びられるのが今の社会ですが、では逃げる時に何を持って逃げるのかとなります。
金?
あの重たい金属をどう持って逃げるのでしょうか?
金延べ板10キロでも年配層にはかなりきつい重さになります。
1グラム 5000円として
1キロ 500万円
10キロ 5000万円
富裕層にとり、金の延べ板10キロ(5000万円分)を持って逃げましてもプライベートジェットチャーター料金にもなりません。
逃げるのであれば、小さくて持ち運びが簡単で価値のあるものとなります。
ダイヤモンド等の宝石、希少金貨、絵画(フレームを外したもの)
いずれも数億円、数十億円分を簡単に運べます。
「金を買うなら金貨」と指摘してきましたが、いざとなった時には「金」は大量に持ち出すことは不可能であり、何の足しにもなりません。
ベトナム戦争で米軍が撤退する時に、多くのベトナム人も米軍の空母等に逃げていきましたが、重量オーバーとなり、金の延べ板も大量に海に投棄されたと言われています。
(逃げる際の速度が出ないとして米軍ヘリも海洋投棄された位です)
金は株と同じく「安く買って高く売る」にはよいのでしょうが、いざ避難と言うときには意味をなさないのです。
また、日本製の「金の延べ板」は海外ではそのまま買ってくれません。
一旦溶かして品位を確認してからでないと買い取ってくれないのです。
しかも現金ではくれず、送金か小切手ですから銀行口座に入れる必要があり、では海外で口座がない人はどうなるでしょうか?
当然富裕層は準備していますが、中堅層で口座を準備している人はどれだけいるでしょうか?
中堅層の香港人は今右往左往しているはずですが、手遅れになりつつあると言えます。