日経平均は激しい乱高下を繰り返しましたが、最後には売り崩され、69円安の17,697円で終わっています。
これで日経平均は大発会から5日連続安となり、1950年に統計をとり始めてから初めて5連続値下がりしたことになり、日本の株式市場が、2016年が始まって早速過去66年間なかった異常事態に陥っているのです。
まさに日本は大丈夫か、と言える状態になっていますが、その大丈夫か?という理由は機関投資家が指摘している「ある数字」を見れば「大丈夫ではない」=「株を買っている場合ではない」となるのがはっきりします。
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2013年3月期から2015年3月期までの2年間でトヨタがあげた営業利益増加額は1兆4300億円に上るが、そのうち、1兆1800億円が円安であげたもので、実際に販売で儲けた利益増加額は2,500億円しかない。
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これは機関投資家が見ている数字ですが、これを見れば仮に円相場が円高に振れるとなるとトヨタは減益になるのではないか?と考えるのも無理はありません。
一般投資家はこのような数字はまず見ることはありませんが、機関投資家はしっかりこのような数字を把握しており、かつトヨタが行っています下請けへの値引き要請の実態もつかんでおり、とてもトヨタは買えないとなっているのです。
また、既報の外人投資家が昨年中に売り逃げていた(売り越していた)ことを知って、高値をつかんだ投資家は今頃青くなっているかも知れませんが、日本の株式、特に後半は郵政上場のために無理やり作った相場であった訳であり、今その修正が出てきているともいえるのです。
何故なら、今日中国株は反発しているにも拘わらず、日経平均が売られているからです。
無理をしてきた相場の修正が今起こっているのです。
因みに、上場しました郵政3銘柄のうち、「ゆうちょ銀行株」と「かんぽ生命株」は今日それぞれ2.16%、3%の急落を演じ、上場来安値をつけており、上場時に買った個人はすべて損をしている状況になっています。
株を枕に正月を越した個人投資家は今や頭を抱えている状況でしょうが、今後襲ってくる暴落を考えれば、まだ今はましかも知れません。
東証始まって以来の惨状を見てアベノミクス相場が終わりつつあると見る人も多くいるかも知れませんが、円安と金融緩和で相場を作ってきた訳であり、まさに我々は”幻想”を見てきたのかもしれません。