以下は西日本新聞 が配信した熊本県被災地の実態です。
これだけみれば「日本は本当に先進国なのか?」と思う人も多いと思うでしょうし、もし東京や大阪で同じような地震が起こった際に自分がどうなるか想像がつくと思います。
行政は「自分たちでどうにかしてください」と突き放したと報じられており、ならば行政などいらないとなります。
何のための行政なのか、と。
とにかく、自分の身は自分で守るしかないのです。
それが今の日本で生き延びる唯一の方法だと言えます。
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「食料、底をついた」 足りぬ物資、避難者悲鳴 ガソリン不足も深刻化
水も食料もガソリンも仮設トイレも足りない-。16日未明の激しい地震で被害が拡大した熊本県では体育館や駐車場に避難する人が一時、18万人を超えた。道路や鉄道などのインフラが寸断し、多くの被災者に支援物資が届かず、悲痛な声が相次いだ。旅館や民家が山崩れに襲われた熊本県南阿蘇村では、大量の土砂をかき分け行方不明者の捜索が続く。家族は「早く助けて…」と声を震わせた。
■子どもが空腹
「米・水・保存食 HELP」。熊本県御船町の老人総合福祉施設「グリーンヒルみふね」は、駐車場に白いラッカースプレーで大きな字を書いた。
入所者や地域住民約200人がいるが、町から届いたのはペットボトルの水9箱だけ。吉本洋施設長(44)は「あと3日で食料が枯渇しそうだ」と語った。
だが、町にも余裕はない。藤木正幸町長は16日夕、フェイスブック(FB)で「町には緊急物資が何一つ入ってきません。町民は水分補給もできずに飢えと戦っています」と訴えた。
その後に届いた支援物資の食料も17日昼で底をついた。炊き出しのおにぎりは1人1日1~2個しか配れない状態という。
FB上では、具体的な避難所名を書いて「指定避難所ではないため、物資が一切届きません」「中学校は水も止まり、食料もありません。救援物資を」といった書き込みが相次ぐ。
各地の避難所には数百人が身を寄せ、配給のカップ麺やおにぎりを求める長蛇の列で2~3時間待ちのケースも珍しくない。
同県西原村の西原中で1歳3カ月の息子と避難する園田唯代さん(25)は「おにぎり1個とアイス1個が配給されたが、子どもがおなかをすかせている」。
別の女性(48)は「並んでも全員に行き渡らないまま、配給が終わってしまう。朝からパン2個しか食べていない」。
この避難所は断水しており、トイレは地面を掘って、ブルーシートで囲んだだけという。
■国道は大渋滞
ガソリン不足も各地で深刻化している。同県高森町の国道325号沿いのスタンドは、17日に営業を再開したが、午前8時半の開店とともに給油待ちの車で500メートルの行列ができ、片側1車線の国道は大渋滞に。
自衛隊などの緊急車両が通行できない事態になり、1時間ほどで給油を中止した。同町の自営業男性(47)は「余震が心配で車中泊を続けているが、夜は暖房用にエンジンをかけるので燃料の残量が少なくなってきた。遠方まで買いに行っても給油できる保証はないし、どうすればいいのか」。
同県南阿蘇村の特別養護老人ホーム「水生苑(すいせいえん)」では電気と水が止まり、情報源はラジオが頼り。食料は3日分備蓄していたが底をつく恐れがあり、16日から1日2食に減らした。
関係者は「役場に支援をお願いしたが、避難者が多すぎて『自分たちでどうにかしてください』と言われた」。
近くのスーパーやコンビニは閉まっており、往復100キロの店まで買い出しに行く必要がある。だが、発電機の燃料や、買い出しに使う車のガソリンは入手困難。停電で水のくみ上げもできず、入所者は次第に追い詰められている。