今回の突然3500億円にも上るシャープ側の債務宣言で自己資本は1600億円しかない状態になっているシャープですが、これで債務超過となっている可能性が出てきており、しかも今まで執行役員にもこの3500億円の事実が知らされていなかったとも言われているのです。
今回のM&A担当は、シャープ側はみずほ証券が担当しており、本来なら初めからこのような情報は開示するべきであり、土壇場で3500億円の債務があるかも知れませんと言うのは極めて異例であり、かつあり得ない事態と言えます。
鴻海が調印の延期を申し入れこの延期については合意したとなっていますが、交渉の最終期限は29日となっており、シャープ・鴻海が合意しましても市場がどう判断するか微妙になってきます。
29日を過ぎてしまえば産業再生機構は「撤退」となっており、ここで鴻海も「撤退」となれば、債務超過の可能性をシャープ自らが宣言した事実だけが残り、これを市場が見逃すはずがないからです。
金融機関も債務超過の可能性のある(シャープ自身が事実上宣言しています)会社に無担保で貸すようなことは出来ず、このままいけばシャープは裁判所の管轄に入って新しい経営者(再建人)の下で再生策を探すべきという意見が強くなって来るはずです。
今、シャープの株価は再度急落してきていますが、再建が進むとして高値まで買い上げられてきていましたが、この間に信用取引で買いついた個人は2日間で保証金を失っていますが、問題はロイター通信も記事の中で伝えていますが、仮に期限切れとなればシャープは倒産という事態もあり得るのです。
その場合株価は1円になる可能性が出てくるということになるのです。
ここで合意が成立すれば倒産は免れ、新株発行価格が「下値」になる可能性もありますが、3500億円分の「負債」を
勘案すればとても今回合意した新株発行価格が妥当とはなり得ず、また新株発行価格の算定をし直すということもあり得ます。
土壇場で事実上債務超過であると宣言したシャープの経営陣に対して不信感が鴻海側にあると言われており、今後の展開は予断を許さないかも知れません。