中国による巨大買収が相次いで表面化しています。
- アメリカ映画大手のレジェンダリー・エンターテインメントを35億ドルで買収
- スイスの農薬大手であるシンジェンタを430億ドルで買収
- シカゴ証券取引所を非公開価格にて買収(交渉中)
これ以外にも中小の買収が進んでおり、台湾企業からはシャープ買収という話も出てきており、台湾=中国とすれば(いずれの話となるのか、ホンハイの裏に中国がいるのかわかりませんが)、世界中の企業に触手を伸ばしていることが分かります。
ところが、中国は資本規制を強化しているとも言われており、今回の巨額買収は矛盾する動きとなります。
何故矛盾する動きを中国は行っているのでしょうか?
中国人民元はいずれ暴落するのが分かっている共産党幹部関係企業(国営企業)が今のうちに外国に資本を移しておきたいとなっているからです。
金融市場では人民元は30%~50%暴落すると言われており、今のうちに少々高い買い物をしましても今後の人民元安を考えれば安い買い物と思っているフシがあるのです。
中国はいずれ人民元を大幅に切り下げると言われており、これもあって中国から毎月10兆円以上の資金が海外に流れだしていますが、これは年率で換算すれば120兆円を超える膨大な資金となります。
今まで積みあげてきた中国のドル資産を今取り崩してまでも対外投資に走る中国企業の姿を見ると思いだす姿があります。
ロシア危機です。
ロシア危機が勃発する前に西側の投資家はロシア経済はバラ色であり、投資先には最適な場所と絶賛されていましたが、その時ロシア政府関係の資産家達は高いルーブルをドルに換えてせっせと世界中に避難させていたのです。
馬鹿を見たのはヘッジファンドの大物と事情を鵜のみにした投資家です。
そのロシアからの資金移動が終わった頃、ロシア危機が勃発しルーブルは暴落しロシアに投資していた者は莫大な損を被ったのです。
ところが、これで大儲けしたものがいます。
1ドル=1ルーブルが一ドル18ルーブルになり、その後18分の1に暴落したルーブルを買い戻し、その18倍になったお金でロシア経済を作りなおし誕生したのが新興財閥なのです。
見事に仕組まれたロシア危機だったのですが、今の中国を見ていますと、殆ど同じ道を歩んでいるとしか見えないのです。
今後、中国人民元がロシア危機当時のような大暴落を演じれば世界はどうなるでしょうか?
日本を見れば、中国の爆買いは「消滅」することになります。
10%、20%の変動であればまだ影響はないでしょうが、仮に30%を超える人民元安となれば、爆買いツアーに打撃を与え、更に50%以上の暴落となれば、当然外貨規制が導入されますので中国人は海外に行けなくなります。
また、威信をかけて作る上海ディズニーランド(6月16日開業)を失敗させないために海外旅行を規制することもあり得ます。
爆買いはもう終わりに近づいてきているのかも知れません。