生き残ることが出来るか東芝

投稿者: | 2016年02月05日 08:31

東芝が7100億円の最終赤字になると発表していますが、実際には1兆円を超える赤字になる可能性を持っています。

WH社の減損会計です。

このWH社の減損をいくら計上するかによって下手すれば1兆円にも達する空前の赤字になる可能性があるのです。

ただ、今の状況でWH社の減損を計上した場合、東芝は1兆5949億円にも上る<借入金・社債>の財務制条項に抵触し資金繰り破たんを起こすこともあり得ます。

この点につき、以下のような発表がされています。

東芝・室町正志社長

資金繰りの先行きについて金融機関と折衝しており、金融機関からの支援の条件として「今期中に(減損などで)膿を出し切ること」を条件とされ、更に金融機関からは「株主資本をマイナスにしないなら金融支援に全力を尽くす」と言われていると明かしています。

これは即ち、WHの減損を計上しても債務超過にならないようにしろということであり、優良分野等を売却して資金を作れとなりますが、優良収益源を売却してしまえば次に稼げる分野がなくなりいずれ「破たん」となります。

東芝の財務をみますと有利子負債は、前期は1兆1420億円だったものが今期は1兆4500億円となっており、3100億円余り増加しています。

しかも短期借入金が急増しており、資金繰り用に借入を増やしている姿が見て取れます。

東芝が生き残れるかどうか極めて微妙な状況になってきており、日立等との統合もあり得るかも知れませんが、日立も株価が急落しているように東芝を救済する余裕などなく、最悪の場合、100%減資の上、JALのように国が管理するという形で再建を進めることになるか知れません。

また、平田政善CFOは、「電機メーカーは自己資本比率が30%ないと標準的ではない」としていますが、今回の赤字計上で自己資本比率は10%を下回り、格付けも<BB+>から<B格>以下に格下げされることもあり得ます。