大型客船2隻の完成が遅れに遅れている三菱重工ですが、業績が下方修正されています。
2016年3月期(通期)
売上 +2.7% 4兆1000億円(従来予想 +5.0% 4兆2000億円)
営業利益 +1.3% 3,000億円(従来予想 +8% 3,200億円)
純益 -18.5% 900億円(従来予想 +18% 1,300億円)
純益はアナリストの予想では1402億円でした。
問題の客船ですが、昨年12月末の納期も再度延期されており、いつ完成するのか今や目途が立たない状態にあり、発注先企業から引取り拒否を宣告されましてもおかしくはない事態になりつつあります。
その理由は火災の連続です。
特に先日発生しましたボヤは放火とも言われており内部の犯行となるのでしょうが、ここまでややがついた客船を発注元が引き取るはずもなく、今後引き渡しが送れた損害賠償金等の請求もあり得、それを仮に計上すれば、未計上の損失額は1,000億円を超えるかも知れず、そうなれば2016年3月期の純益は赤字に転落することになります。
(この火災については決算短信では一切触れられていません)
いつ最終的な損を計上するのか、これからギリギリの交渉に入るのかも知れませんが、世界的景気の悪化もあり新規の客船が必要なくなってきているとも言われており(乗船料のダンピングが半端ではない率となっておりそれだけ客がいないとも言えます)、今後発注元が難癖を付けてくれば赤字転落は避けられません。