2016年 :オークション会社が苦境へ

投稿者: | 2016年01月04日 09:45

今年はオークション会社にとって厳しい一年となるはずです。

手頃なよい作品が市場から消えてしまったこともありますが、昨年に現代アートが暴騰したことでエネルギーを放出してしまい、もはや市場に力が残っていないからです。

それを如実に出ていたのが、昨年11月のクリスティーズ、サザビーズのメインオークション(イブニングセールとなります)で、招待客しか入れないメインセールスルームで空きが出ていたのです。

今まで見たことのない光景であり明らかに異変が起こっているのが分かります。

理解できない現代アートに何十億円もの大金が気前よく払われる中、誰でも知っているオールドマスターの巨匠作品の油絵が5億円ほどで落札されることなどあり得ないことなのです。

無理矢理現代アートのブームを作り上げた¨とが¨が出てきたと言え、今年2016年はオークション会社はブームの清算を迫られることになるはずです。

現代アートの中でもピカソなどは急騰した最たるものですが、作品数からして明らかにオーバープライスであり、今年一年で半値になりましても何ら不思議ではないと思っていますし、買い手がつかなくて売り手のもとに戻っていく作品も半数以上を占めることになるかも知れません。

それとは反対に印象派やオールドマスターはいままで買われて来なかった分、買われるかも知れず、更に価格の低いコレクターズアイテムは見積価格の2倍、3倍以上しましても何ら不思議ではありません。

2016年は買われるジャンルの入れ替わりがおこる一年となるでしょうが、現代アートの不振から落札金額は大幅に下がり、手数料収入で生きているオークション会社ですが赤字になる中小オークション会社も出てくるでしょうし、最悪の場合、金利が上昇している今、倒産するオークション会社も出てくるかも知れません。

2016年はオークション会社がいままで顧客を大切にしてきたかどうかが問われる一年になるはずであり、顧客を失ったオークション会社は消えていく運命にあります。

 

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