4月の全国デパート売上高が発表され、外国人による購入総額が9.3%減少の179億円となり、2013年1月以来39ケ月ぶりに減少したと発表されています。
そして4月の全国のデパート売上高は<-3.8%>の4,536億円となり2ケ月連続の減少となっています。
この発表を詳細に見ますと以下のようになります。
<3ケ月移動平均>
9-11月 +0.9%
10-12月 +0.3%
11- 1月 -1.4%
12- 2月 -0.5%
1- 3月 -1.6%
2- 4月 -2.2%
<今回> -3.8%
デパートの売り上げは昨年9月から見ると徐々に落ち込み始めている中、11月からマイナス成長に陥り、今年に入りその傾向が明確になり落ち込み幅が拡大してきているという実態です。
これが意味するところは、日本人が買っていないところを外国人が購入をして減った分を穴埋めしていたという姿ですが、その外国人による穴埋めが今や息切れしてしまい、日本人も買わない、外国人も買わないとなり、デパートの売り上げが3.8%も減少してしまったということになるのです。
全国の主要都市別で見ますと以下のようになります。
10大都市 -2.6%
その他の地区 -6.2%
その他の地区の落ち込み方が激しくなっているのです。
即ち主要大都市は健闘したが地方は陥落してしまったという姿であり、関東を見てみますと以下のようになります。
東京 -1.5%
関東 -6.4%
これが意味するのは東京都内では1.5%の減少にとどまっていたが、その他の地区で見れば6.4%も減少している姿であり、東京都内は2ケ月連続の減少となっているところ、関東ではなんと11ケ月連続の減少となっている姿なのです。
東京都内は日本人の消費はまだ健闘していたのですが、都内以外では景気の悪化・高齢化を受けて減少が止まらないという姿なのです。
これは爆買い云々という次元ではなく、日本人の消費行動が変わってしまっており、関東を含め地方に展開しているデパートは抜本的にターゲット・収益方法を変えませんと今後とんでもない事態に陥る可能性があるということなのです。
即ち、今や万年赤字になりつつある大型スーパー化です。
天下無敵のセブンアイホールディングスでもイトーヨーカ堂は事実上赤字になってきておりセブンがあるからまだ持ちこたえていますが、もし救世主であるセブンがなければイトーヨーカ堂はとうの昔に倒産していてもおかしくはない収益構造になっているのです。
ではデパートにはそのような救世主はいるでしょうか?
それは今までは<爆買い>だったのです。
頼ってはいけない<爆買い>に頼ってしまい、結果今や<爆買い>が減少に転じており、打つ手なしとなりつつあるのです。
元から高齢化もあり、デパートは構造不況業種に入ることも想定されていましたが、それが<爆買い>で見えなくなっていただけであり、今それが表面化してきたと言えるのです。
ところでその<爆買い=観光客>となりますが、最も観光客に人気のあります京都を見ますと意外な数字が見られます。
京都 -5.2%(9ケ月ぶり減少)
あれほど京都に観光客がいっているにも拘わらず、9ケ月ぶりに売り上げを落としているのです。
地元の京都人の消費が激減しているのかも知れません。
そして、地元の人がデパートで消費しなくなった地区のトップ3は以下のところとなっています。
北海道 -6.1% *12ケ月連続マイナス
関東 -6.4% *11ケ月連続マイマス
近畿 -3.9% *6ケ月連続マイナス
東北 -2.6% *6ケ月連続マイナス
<爆買い>増加があってこれだけ連続の減少を記録していたのです。
<爆買い>が消えれば今後どうなるか、火を見るよりも明らかとなります。
因みに、このような実態があるにも拘わらず、GDP統計では個人消費は<増えて>いました。
サミット用の数字にしても、すこし「やり過ぎ」たと言えます。