今、日本では殆ど報じられていないヨーロッパの【移民・難民】問題ですが、ヨーロッパ内で亀裂が深まってきており、今後EUの分裂という事態にまで発展する可能性が強くなってきています。
問題はギリシャにあります。
今までギリシャはトルコ経由で海を渡ってくる移民・難民のEUへの「受け口」とも言える存在でしたが、この「受け口」に対してEU諸国、中でもオーストリアはギリシャで【移民・難民】を止めおくようにと強硬姿勢をとり続けたのです。
本来ならEU全体の問題であるべきこの【移民・難民問題】をギリシャで負担させれば良いとの姿勢をとり続けたオーストリアに対して、とうとうギリシャが切れてしまい、駐オーストリア大使を召還し外交関係を一段引き下げたのです。
ヨーロッパの外交関係者の話では、ギリシャは増え続ける到着者(今年だけですでに10万人を超えています)の対応のためにEUに対して昨年末に3,000億円以上の支援金を求めたようですが、EU側が拒否をして反対に期限を切って着実に対応するように指示をしたとも言われており、認識のすれ違いが起こっているのです。
ギリシャからすれば何故自分達だけで対処しなくてはいけないのかとなりますし、EU諸国はいい加減な審査をして移民難民を送り出すギリシャは許せないとなっており、意見・認識が食い違っているのです。
この問題の落としどころは実はないというのがヨーロッパの外交関係者の認識であり、早ければこの3月にも移民・難民の受け入れに積極的であったドイツのメルケル首相が責任を取って辞任するとも言われており、かつ北欧諸国も移民・難民受け入れを大幅に制限するとなってきており、ギリシャ経由だけではなく、他国(イタリア)経由等を併せれば2016年も100万人を超える移民・難民が押し寄せてくると言われている中、EUがどう対応するのか解決策がない事態に陥っているのです。
今までにEUに入り込んでいる【移民・難民】で本来の難民認定資格をもっていない数十万人を如何に本国に送り返すかが現在の問題になっている中、新たに100万人規模の【移民・難民】を受け入れることなどEUに出来るはずもありません。
今、フランスが非常事態宣言を延長していますが、これは隣国のベルギー等で【移民・難民】に隠れたテロ集団がテロを起こす懸念があるからであり、仮にフランス国内やEU国内で新たなテロが起こった場合、ヨーロッパ中で【移民・難民排除運動】が猛烈に盛り上がり、対立が決定的になります。
その時、ギリシャ等で留め置かれている【移民・難民】をどうするのかという問題が起こってきます。
民族対立、宗教対立が先鋭化すれば、それは悲劇しかうまないのは歴史が物語っています。
ヨーロッパが動乱の渦に巻き込まれないためにもEU内の政治家の力が試されていますが、解決策がないというのが正直な認識であり、もはやどうにもなりません。
単なる難民問題であればまだ解決策はありますが、生活が豊かで社会保障も充実しているヨーロッパ諸国に入り、裕福な生活を送りたいという「移民」たちをどう拒絶するのかとなっているのです。
一人50万円程のお金を仲介者に払って『難民』としてくるために余計に対応が難しくなっているのです。
今、日本はこの「移民・難民」問題は関係ないとなっていますが、ヨーロッパで解決できない場合は、過疎化が進む日本の地方にこれら『移民・難民』を数万人単位で受け入れろという国連決議がされる可能性があります。
人口が減る日本の切り札になるとして、国連で『移民・難民』100万人受け入れ決議がされた場合、日本はどう対応するでしょうか?
言葉も習慣も違うイスラム圏の【移民・難民】を100万人どころか、1万人でも受けいれることなど日本人が出来るでしょうか?
昨年東京のトルコ大使館前のトルコ人同士の乱闘事件を見れば、とても相容れないとなるのが当然であり、この問題では日本も解決策はないとなります。
貧富の格差が開き、それをインターネットで瞬時にわかってしまう今の時代、富める国に向かう『民族大移動』が始まろうとしています。