2015年5月末には世界の株式市場の時価総額は56兆ドルあったものが今や14兆ドル減少していると日経は報じています。
円換算では1600兆円を超える価値が「消滅」したことになるのです。
これだけの「富」が消滅して経済がまともな方がおかしいと言えますし、また銀行(金融機関)も影響がないという方が反対に怪しいと思われましても何ら不思議ではありません。
そこで、昨日のNYダウですが、21ドル上昇して始まりその後190ドル余り上昇していましたが、その後失速し、99ドル安の15,914ドルで終わり16000ドル台を割り込んで引けています。
何とか16000ドル台を守るという買いが入っていましたが、最後には陥落したものですが、もう一つの重要な指標であるS&Pは1851ドルとなっており、2000ポイントを遥かに割り込んでおり、NYダウ16000ドル死守はいつまで出来るか、という次元にあったことになります。
また、円相場が一気に急騰し、113円台に突入しており、110円を視野に入れていますが、この水準は日本企業にとりかなり厳しい水準であり、トヨタですらこの113円台ではかなりの「減益」になりましても不思議義ではありません。
また、ここまで円高が進めば、120円台回復はそう簡単にできるものではなく、輸出企業は一ドル115円を「下限」として見ていましたので、今後115円に戻った段階でドル売りのヘッジをかけて来るはずであり、そうなれば円相場が110円ー115円というレンジになり、日経平均は15,000円という水準が見えてきますし、更には13,500円という水準もあり得ます。
外国人は、ドルベースで日経平均を見ており、外国人大手機関投資家は$134という数字を基準に考えているとされているのです。
即ち、以下のようになります。
$134 1ドル115円=15,400円
一ドル110円=14,700円
現在の一ドル113円台で計算しますと15,140円となり、ここを下回るまでは保有は「安心」となりますが、ここを切ってくるようであれば、早く逃げるとなり「売り」となると言われているのです。
一ドル110円を前提に考えれば、日経平均は14700円という数字が見えてきますので、今後も円高が進むとすれば、日経平均は14700円を覚悟しておい方が良いと言えます。
では一ドル100円では?
日経平均は$134 X 100円 =13,400円
先ほどの13,500円とほぼ一致します。
何度も指摘しますが、今はまだ金融危機は発生していないのです。
今後金融危機が発生し、時価総額が2000兆円、3000兆円減少となれば、世界金融市場はどうなるでしょうか?
どのような状況でもゼロにはならない最後の安全資産である【実物資産】に資金が集まるのは必然と言えます。