ヨーロッパの金融市場が次第にきしみ始めており、世界で最も安定しているとされて【スイス】国債(50年債)が初めてマイナス利回りになっている中、イタリアの10年国債利回りは上昇しており<1.19%>を付けてきています。
中心となっていますドイツ10年債利回りは<-0.16%>となっており、差が開いてきています。
*因みに、ポルトガル10年債利回りは<3.03%>、スペイン10年債利回りは<1.19%>となっており、いわば<負け組>国の国債が売られ、<勝ち組>国の国債が買われるという二極化が進んできているのです。
もはやスイス国債では運用出来ない事態に陥っており、これは日本も同じですが、このような事態が続けば、金融機関の収益が劣化するには避けられず、体力のない金融機関は経営破たんするしかありません。
そのような事態が発生すれば、ただでさえドルが不足しているヨーロッパ金融市場ですが一斉にドル資金の回収が始まり、ドルの取り付け騒動が発生するかも
知れません。
日本でもメガバンクは巨額なドル資金を世界から調達しており、これらが一斉に返済を求められた場合、ドル資金が詰まり「ジャパンプレミアム」が数%に跳ね上がることもあり得、そうなれば逆ザヤに陥り、経営に大打撃を受けます。
ヨーロッパの国債市場の「異変」は必ず金融市場の大激変を招きます。
その時、何が起こるか、【金市場】がすべてを語ってくれます。
【金】は1オンス1361ドルまで上昇してきており、先の暴騰時につけました高値である1367ドルに接近してきています。
この高値を抜けば、【金】は再度急騰し、一オンス1400ドルを突破することになりますが、その背後には上記のヨーロッパ金融市場激変があることを忘れてはいけません。