マンスリーレポート 6月1日号 1.世界をリードするBRICS

投稿者: | 2023年06月05日 02:33

アメリカをはじめG7諸国が発動しましたロシア向け金融封鎖と経済制裁で、アメリカドルはその存在価値を失いつつあり、特に金融封鎖は、BRICS諸国だけでなく中近東・アフリカ・中南米諸国の独裁国家にとり、到底受け入れられない事態であり、ならばドルから離れより自由な通貨で決済したり外貨準備高を保有しておこうとなりましても不思議ではないのです。

実際、BRICSは今物凄い勢いでその存在価値を高めており、現在は【ブラジル・ロシア・インド・中国・南ア】がメインの加盟国ですが、約20ケ国が加盟を申請しているとされているのです。

現在の加盟国だけで33億人の人口がいますが、今加盟を申請しているとされています国の人口を足せば、46億人に超えていき、地球上には77億人の人口がいる今、その60%もの人口を占める、とんでもない経済圏が出来上がります。

加盟申請をしているとされる主な国

インドネシア 人口 2.8億人  *産油国
パキスタン  人口 2.4億人
ナイジェリア 人口 2.1億人  *産油国
エジプト   人口 1.1億人  *産油国
ベトナム   人口 9,700万人*産油国
イラン    人口 8,800万人*産油国
トルコ    人口 8,500万人
ケニア    人口 5,300万人
アルゼンチン 人口 4,600万人
アルジェリア 人口 4,400万人*産油国
サウジアラビア人口 3,600万人*産油国
ペルー    人口 3,400万人*産油国
マレーシア  人口 3,400万人*産油国
ベネズエラ  人口 2,800万人*産油国
UAE    人口   940万人*産油国

今のBRICSで産油国は、ブラジル・ロシア・中国であり、これから分かりますが、BRICS+新規加盟国は産油国がメインとなり、OPECを上回る産油国連合が出来上がることになりかねないのです。

更に、今後、BRICSは、群を抜く人口の増加、一人当たりのGDPの急成長もあり、年率換算で5%以上の経済成長をすると見られており、その経済圏に入り、貿易・投資・交流を深めていくだけで良い訳であり、現在、2015年に設立されましたBRICS銀行は事実上機能していませんが、中国にあります2014年に設立されました【アジアインフラ投資銀行(俗称AIIB)】がBRICS銀行を吸収し、決済を担えば良い訳であり、今中国人民元は世界第5位の決済通貨になっていますが、いずれ世界一の決済通貨に躍り出るかも知れません。

既に、IMFはBRICS経済圏は2028年には世界の33.6%にまで高まると予測しており、更に上記の国々がBRICSに加盟した場合、世界経済の50%以上を占めることもあり得るのです。
その50%の経済圏決裁を中国のAIIBが担うとなれば、中国人民元がドルに代わる主要通貨決済通貨となり、アメリカドルはその覇権を失い、ローカルカレンシーに成り下がることになります。
勿論、日本円は国際取引の場では跡形もなく消えてしまうかも知れません。

今、ブラジルは今年に入り、中国との人民元建て・ブラジルレアル通貨決済で合意していますが、ブラジル輸出投資振興局の発表によれば、2009年以降、中国はブラジルの最大の貿易相手国となっており、2022年には、中国・ブラジル2国間貿易額は1505億ドルと過去最高を更新しているとされているのです。

今年8月には南アにてBRICSサミットが開催されますが、この時にどのような合意がされるか注目されますが、このBRICSサミットをぶち壊すためにアメリカがどのような動きをするのか注目されますし、反対にアメリカの干渉に対して中国・ロシアがどのような反撃をするか注目されます。

ただ、ロシアに対して発動しました金融制裁で中央銀行等に預けていた金融資産を没収したことは明らかに国際法上違法であり、それを実行したアメリカをはじめとした西側諸国を信用しないのは当たり前であり、今水面下で物凄い駆け引きが行われているのは十分推測できます。

日本はアメリカに追随していますが、仮にBRICS+拡大BRICSが、反米を鮮明にした場合、日本はこのBRICS+拡大BRICSから弾き飛ばされることもあり得、そうなった場合、日本はどう生きていくのでしょうか?

投資戦略としては、BRICS、中でもブラジルに長期的な視点で投資を行うのは理にかなっており、当社としましては、15年先を見越して投資を行っています。
想定通りの収益が見込めれば、投資元本は3.6倍になり、仮に為替が想定よりブラジルレアル高に動き、過去最高値近辺にまでいけば、投資収益は7倍以上になります。

勿論、これにはリスクもありますが、目先の動きではなく、長期的な視点でBRICS投資を考えるのも必要だと思っています。

また、マレーシアへの投資も考えており、BRICS加盟が実現すれば、実際の投資を行う予定にしています。
勿論、これも長期投資になりますが、目先の上下動ではなく、10年、15年、20年という長期で投資戦略を考える人には、ご自身のポートフォリオに加えておいて損はないと言えると思っています。

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