9月のG20広州サミットで決まりました鉄鋼過剰生産問題を話し合います「OECD鉄鋼フォーラム」がパリで開催されていますが、中国は欠席しており、肝心の中国が欠席し意味のない国際フォーラムとなっています。
この鉄鋼フォーラムは世界の鉄鋼過剰生産を議論するために企画された会議ですが、世界の過剰生産分は中国一ケ国で60%以上を占めると言われており、その中国が欠席すれば全く意味のない会議になるのは当然と言えば当然となります。
また、以下のデータをご覧ください。
<中国の粗鋼生産量>
2016年9月分 6817万トン(一年前に比べ+3.9%)
2016年1-9月期 6億378万トン(一年前に比べ+0.4%)
<中国の鉄鋼生産量>
2016年9月分 5932万トン(一年前に比べ+4.1%)
2016年1-9月期 5億2825万トン(一年前に比べ-0.3%)
<中国の鋼材生産量>
2016年9月分 9809万トン(一年前に比べ+4.3%)
2016年1-9月期 8億5178万トン(一年前に比べ+2.3%)
この9月の鉄鋼関係生産量は<すべて>増加しており、9月に決まりました減産を話し合います「鉄鋼フォーラム」など歯牙にもかけない動きをしているのが分かります。
これが中国流のやり方であり、その時、その時の流れで政策が決まり、かつ「中央政府の意見は意見として聞いておくが地方政府には地方政府の考えがある」となっているのです。
鉄鋼問題は地方政府マターの話であり、中央政府は介入出来ないようになっており、いくら国際的な合意がありましても地方政府にまでその影響力が及ぶまでには数年かかることもあると言われているのです。
ところでなぜ今鉄鋼の過剰生産が問題になっているのでしょうか?
それはダンピングだからです。
<貿易統計>
2016年1-9月期 鋼材輸出量 + 2.9%
同期 鋼材輸出額 -14.9%
輸出量は2.9%増えているにも拘わらず、受け取り金額は14.9%も減少しているのは、ひとえにダンピングがあるからであり、世界はこのダンピングはいけないとなっているのです。
鉄鋼を作り続ける中国は世界の鉄鋼産業を叩きつぶすだけの過剰生産・過剰在庫・過剰設備を有しており、その破壊力は日本の鉄鋼業界を叩きつぶすだけの威力があると言えます。