失望発言(ユーログループ議長)とユーロの信頼性そして円高

投稿者: | 2016年07月28日 03:32

欧州委員会がEUの財政ルールに違反したスペインとポルトガルへの制裁を見送ったことについて、ダイセルブルーム・ユーログループ議長は以下のような声明を出しています。

【スペインとポルトガルは財政健全化への取り組みが不十分だと認定されたにもかかわらず、欧州委がそれに対処しない(罰金を科さない)のは残念である】
【両国は努力はしただろうが、なお危険な状態にある】

「努力した」というのは「皮肉」であり、実際には【ポルトガル】は予算案の段階から財政赤字基準を守る気もない内容となっており、「制裁をするなら制裁をしてみろ」と開き直っていたもので、今回の制裁見送りで、開き直った者が勝ったとなり、今後、イタリア、ギリシャも守る必要はないと判断する可能性もあり、ユーロ財政健全化基準は有名無実化することになりかねず、ユーロへの信頼性が一段と落ち込むことになります。

そして世界通貨の中で【ユーロ】はダメとなれば、残るは【ドル】と【円】となりますが、【ドル】も利上げが出来ないとなっており、ならば残るは【円】となります。
【円】は安倍総理の意向で30兆円近い景気刺激策となるのであれば、ならば【円】を買おうという動きになるのは必然であり、世界は≪円高一色≫になるかもしれません。

安倍総理は経済を持ちあげるために財政出動をするべきと言っていますが、それが円高を招くというところまで考えていないはずであり、もし一ドル90円台突破の円高が襲ってくれば、日経平均は13,000円以下に落ち込みましても何ら不思議でなく、円高・株安が襲い、時価総額が今の500兆円から400兆円以下にまで100兆円以上減少するかも知れず、そうなれば30兆円を投入した景気対策は無駄ということになりかねません。

今回のユーロ問題は実は円高を招くということを多くの専門家・投資家は見ていませんが、今後とんでもない円高が襲ってくるかも知れないと警戒しておくべきだと言えます。

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