企業物価(深刻化するデフレ)

投稿者: | 2016年06月11日 09:02

日銀が発表しました5月の国内企業物価指数(2010年平均=100)は一年前に比べ4.2%下落し99.4となっています。
即ち、企業物価指数は2010年を下回る水準になっているのです。

日銀が膨大な金融緩和を行いCPIを2%以上引き上げるとしていますが、肝心の企業物価は猛烈な勢いで下落してきており、金融緩和効果が企業部門にはないとなっているのです。

この効果がない理由は色々ありますが、一つには企業倒産を防いでいるために過当競争が収まらず、価格のたたき合いが企業間で起こっていることと日本最大の製造業企業である【トヨタ】が下請けに数%の値切りを行っていることもあります。
円安もあり、年間2兆円以上の利益を上げている【トヨタ】が更に下請けに対して値切りをしていてば、一次下請け、二次下請け、三次下請けと下に行けば行くほど値切り幅が拡大していき、膨大な数の中小零細企業に行きつく頃には10%、20%の値引きとなっているはずであり、これでは企業物価は上がりようがありません。
(仮にトヨタが納入価格を数%引き上げるとなれば、事態は一変し政府・日銀が狙う物価上昇となるはずです。)

2010年をも下回る企業物価指数は今後訪れるデフレ本格化を予想させるものであり、政府・日銀が進める金融緩和策の破たんとなります。

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