どうしたのか日本人の精密さ(ひとみの消滅)

投稿者: | 2016年05月03日 09:00

H2Aロケットで打ち上げられましたエックス線観測衛星である『ひとみ』が、人的ミスで分解してバラバラになってしまい使い物にならない宇宙ゴミになったと発表されています。

日本側の負担総額は310億円であり全額の損となりますが、衛星が分解してしまった理由が担当者の設定ミスとされており、即ち「人的ミス」となり、日本人が誇る緻密な作業が今や最先端である宇宙分野でも失われつつあるのかも知れません。

<発表されている故障の事由>
「ひとみ」の姿勢制御プログラムが不十分で機体が回転し、衛星は自動的に噴射して姿勢を立て直そうとしたものの、事前に送った信号に「設定ミス」があり、逆に回転が加速し太陽電池パネルや観測用台の根元に遠心力がかかり壊れた。
NASAの観測では10個に分解してしまっている

今、三菱自動車の燃費偽装問題や三菱重工の豪華客船建造のトラブル(3度の火災・引き渡し遅延)、タカタのエアバック欠陥問題等々、日本の技術者の「劣化」が盛んに言われており、なぜこんな問題が起こったのか検証がされていますが、問題ば個々人のレベルではなく日本人全体が劣化してしまい、全ての面において昔の日本人ではなくなってきているのかも知れません。

シャープの台湾企業への身売り、東芝の粉飾決算から始まった膨大な赤字、三菱自動車の事実上の倒産株価等々をみますと、天下の東証一部上場企業がこの有様となっており、本来なら上場企業及び上場企業に勤めることが出来た社員は、他の大方を占める中堅・中小零細企業や社員の「目標・模範」となるべき存在であり、その「目標・模範」が今や崩れてきており、結果、あらゆる分野で緊張が緩み始めてきているのではないでしょうか?

日本人から「勤勉さ」と「緻密さ」が消えれば、あとには何が残るでしょうか?

今回の「ひとみ」消滅のニュースは大きくとり上げられることなく流されていきましたが、本来ならものづくり日本を揺るがす大きな「事件」としてとり上げられるべき事案だった筈です。

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