アメリカの景気は良いとされていますが、S&P採用の大企業の売上高は第4四半期には<-3.4%>となり、これで4四半期連続で減収となっているとロイターは伝えています。
しかもこの売上減少は大半の企業で見られ、ある調査会社のトップは以下のように述べています。
『自分のキャリアの中で、雇用が拡大しながらS&P500種採用企業が減収となっている事態を見たことがない』
今、アメリカ企業に異常事態が起こっているとこの専門家は指摘しているのです。
そして利益です。
今までに75%程の企業が決算を発表していますが、これから推計されることは、S&P500種企業の利益は第4四半期には<-4.0%>となっており、徐々にマイナス幅が拡大しているとしているのです。
そして以下のような意見もあると報じられています。
『株価は割安にみえるかも知れないが、利益環境を眺めれば投資家が株式市場に戻ってくるような理由は殆どない』
売上高を減少させながら、利益を維持させようとすれば原価率を引き下げることしかなく、それは即ち正社員を減らし非正規社員に置き換えるのが手っ取り早い方法です。
ところが、今アメリカの雇用は引き締まっており、そう簡単に有能な非正規社員は見つかりません。
ではどうやって利益を増やすのでしょうか?
もはや”マジック”は通用しなくなっており、このため上記の通り<減益>となっているのです。
今後世界の景気の悪化が進み、アメリカ企業の減収幅が拡大していき、利益が更に減少する事態は避けられず、今の株価を到底維持出るはずもなく、減益であればPERは15倍でも高く10倍以下になることもあり得ます。