イトキンの身売りとファッション業界の不振

投稿者: | 2016年02月10日 10:20

総合アパレル大手のイトキンが経営不振からファンドに身売りされると発表されていますが、内容は以下の報道の通りガタガタになっていたことが分かります。

<報道>

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春にかけて複数のブランドや事業を終了する。ウィメンズ向けの「シンシア ローリー(Cynthia Rowley)」と「グレイセラ(GRACERA)」は秋冬商品、男女複合の「ヒアーズ(HERE’S)」は2月発売の商品がラストコレクションで、各店舗は順次閉鎖される。

25~30歳がコアターゲットの「シンシア ローリー」は、婦人服ライセンス事業を1月末で終了。

昨年11月末でオンラインストアは閉鎖されており、各都市の百貨店などに展開する22店舗も2月8日までにクローズする。

同じくウィメンズブランドの「グレイセラ」も2015年秋冬商品で販売を終える。同ブランドはシニア市場の開拓を狙い、イトキンのベテラン勢を集めて2014年8月に設立された会社イトキン メビウスの運営で昨年春にデビューしたばかりだが、わずか1年の展開となった。

イトキンの不振はウィメンズブランドだけではなく複合業態も同様のようで、都市部や郊外の商業施設に展開するライフスタイルブランド「ヒアーズ」は4月上旬の終了を発表。

今週25日に閉鎖したオンラインストアをはじめ、東急プラザ表参道原宿や大阪グランフロントなどに構える30以上の店舗を順次閉鎖している。

イトキンの直近の業績(2015年1月期)は、売上高が952億5,900万円、純益は前の期の40億円に続く赤字。既にSC(ショッピングセンター)を中心に不採算店舗を整理していたが、今回は百貨店に入る店舗やブランドの見直しにも踏み切った。

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今やイトキンのような中途半端な価格帯のファッションはワールドもそうですが、ユニクロに席巻されており生き残りは極めて厳しい状況になっていると言えます。

超高額な高級ファッションか、ユニクロに代表される低級ファッションかとなっており、今までそこそこの品質で勝負していた中堅ファッション企業は顧客をユニクロ等に取られ、マーケットを失いつつあるのです。

日本全体が低級化している今、ユニクロを着ていても恥ずかしくない社会となりつつあり、これでは中堅ファッショブランドはやっていけません。

今後も身売りや倒産、廃業が相次ぐことになるでしょうが、セレクトショップも経営が厳しいとも言われており、日本のファッション業界は今年2016年は生き残りをかけた戦いを演じることになるかも知れません。

 

 

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