3共済(公務員等が加入する3つの共済年金)の2015年度の運用損が7000億円にも達していると発表されていますが、2016年度は更に損を拡大させることは避けられず、共済組合の年金積立に赤信号が点灯していると言えます。
3共済とは、地方公務員共済組合連合会(地共連)と国家公務員共済組合連合会(国共連)、日本私立学校振興共済事業団となりますが、今のマイナス金利下では国債運用が出来ず(マイナス金利下では国債は買えば買う程赤字になります)、海外株・債券を買ったものの円高で
マイナスになり、株も企業業績悪化が進み値下がりしており、あらゆる面でまともな運用ができないとなっており、今後構造的な赤字体質に陥り、この運用の赤字を埋めるために天引きされる掛け金を引き上げたり、年金支給額を引き下げたりする事態になるのは避けられません。
ただ、それでも運用をしている以上、赤字は膨らみ続ける訳であり、超円高や株の暴落等が襲えば、運用損は数兆円から10兆円を超える額に達することもあるかも知れません。
運用にはリスクがつきものであり、短期で一喜一憂するべきではありませんが、年金運用はまた別の次元であり、本来なら10年、20年国債だけで運用するべきなはずです。
国債に2%~3%を超えるまともな利息がついていれば、何も株など買う必要はない訳であり、年金運用の損はひとえに低金利政策の犠牲になったと言えます。
そして外人投資家の売り逃げる受け皿として年金が使われていることなど一切言われませんが、今後日本から外人が完全に逃げ出した時には、株は日銀と年金資金が大半を握っていたとなるかも知れません。
売るに売れない株を持った日銀と年金基金が八方ふさがりとなる日も近いかも知れません。