サンクトペテルブルク会談(プーチン・エルドアン両大統領)

投稿者: | 2016年08月10日 08:20

世界のパワーバランスから見て歴史的な会談がプーチン大統領が休暇を過ごしていますサンクトペテルブルクにて行われています。

ロシアのプーチン大統領が、クーデター騒動で揺れるトルコのエルドアン大統領を昨日(9日)にサンクトペテルブルクに招待し会談を行っているのです。
(このため予定されていました「非公式協議」が今週末に延期になり、今回の会談が急に決まったことがこれからもわかります)

サンクトペテルブルクはプーチン大統領の出身地であり、家族もおり、いつも休暇を過ごす場所ですが、ここにエルドアン大統領を招待したという意味は、9月2日に安倍総理がウラジオストクを訪問するのと重みが全く違います。

今回の会談は、いわばプライベートを含めた会談となっており、それだけ親密なかつ重要な関係を締結する相手であるとプーチン大統領が認識したことになるからです。

これは何も首脳間で行われることだけではなく一般人でも同じであり、個人の家に招待するということはそれだけ親密ということであり、かつ相手を信用しているということになるからです。

今回のエルドアン大統領訪ロの前に、ロシアのタス通信にエルドアン大統領は以下のようなコメントを寄せています。

『歴史的な訪問であり、トルコ・ロシア関係に新たなページが開かれる』

この新たな関係ですが、今度トルコは、NATO軍に貸している基地を返還させるか使用制限をかけるか、それかトルコ空軍基地にロシア空軍の配備をするという合意がされるかも知れません。

シリア攻撃の前衛基地となっているトルコですが、ここに「NATO軍」と「ロシア軍」が同居し、お互いが支援するターゲットを攻撃するというねじれ現象が起こることになりますが、そのようなねじれ現象は長くは続かずいずれは片方が追放されます。

ここでこの2日にエルドアン大統領が発した以下の発言を思いだして欲しいのです。

『西側諸国はクーデター(テロ)を支持し、クーデター参加者を支援(味方)している』

この発言は非公式会合の席で発せられたものですが、次の発言を「今」聞けば今回のロシア訪問の意味が分かってきます。

『今回のクーデター未遂のシナリオは海外で書かれた』

この発言後、ロシアを訪問しており、この「海外」という意味が良く分かってきます。

即ち、ロシア以外の「西側」となり、アメリカ・ドイツ・イギリス・フランスとなるのです。
特に、ドイツとアメリカへの嫌悪感が高まっていると言われており、まさか大使を追放するようなことはしないでしょうが、
最悪の場合、外交関係を格下げし、臨時代理大使レベルに引き下げ、外交関係を事実上凍結する動きに入るかも知れません。

トルコはオスマン帝国時代から地政学上(戦略上)極めて重要な国であり、ここを誰が抑えるかによってパワーバランスが変わってきますが、今やNATO諸国は追放される側に回り、ロシアそして経済面で中国が主導権を握ることになりますと、中東への影響力は激変することになります。

今週末にこのサンクトペテルブルクにて非公式ながら極めて重要な会議が開催されることが決まったようで、関係者はその準備にいそしんでいるようですが、今やプーチン大統領の右腕とも言われる「ある女性」がその会談を取り仕切るようですが、日本は公式にはその「女性」とのコンタクトは全くなく、日本は蚊帳の外に置かれるかも知れません。

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