EUはイギリスの離脱問題に加えもう一つ厄介な問題に直面しており、この27日にも決断を迫られることになります。
それは、財政ルール違反での制裁です。
この12日に加盟28ケ国による財務相理事会が開催され、スペインとポルトガルがEU財政ルール(財政赤字がGDPの3%以内)を逸脱しているとして最大でGDPの<0.2%>の罰金を科すように決定し、欧州委員会が27日にも具体的な制裁案を決めるとなっているのです。
実際にはスペイン・ポルトガルに制裁回避のために財政健全化計画を提出させ、罰金額を<ゼロ>にする妥協案が検討されているようですが、仮にそのような妥協案が決定された場合、今度は世界が「ならばEUの財政ルールは有名無実化している」として、EUそのものに対して不信感を抱くこともあり得ます。
そもそもスペイン・ポルトガルは財政赤字をGDPの3%以内にする気などない予算案を提出しており、罰金が決定され軽減策が決定され、<プラマイゼロ>となることを想定していると言われており、ならば他の国も無理して財政赤字をGDPの3%以内に抑え込む必要などないではないかとなりましても何ら不思議ではなく、特にイタリア・ギリシャなどは反発を強め、EU財政赤字ルールが無実化することもあり得ます。
(スペインは5.1%、ポルトガルは4.4%の赤字額となっています)
今やEUそのものが崩壊することもあり得るかも知れません。