世銀の成長率引き下げとリスク

投稿者: | 2016年06月10日 07:45

世界銀行は今年1月に予想しました世界の成長率を引き下げていますが、現在の膨大な金融緩和をしても成長率が伸びない現状をもっと深刻に考えるべきだと言えます。
いくら金融市場に数百兆円投入しましても、砂漠に雨のような状況となっており、効果が殆どないに等しいからです。

<2016年の世界全体の成長率:+2.4%(0.5ポイント下方修正)>
<2017年の世界全体の成長率:+2.8%(0.3ポイント下方修正)>

<2016年の新興国の成長率:+3.5%(0.6ポイント下方修正)>
<2016年の先進国の成長率:+1.7%(0.5ポイント下方修正)>

先進国の内訳は以下の通りです。
アメリカ 0.8ポイント引き下げ
ユーロ圏 0.1ポイント引き下げ

アメリカの成長率を大幅に引き下げていますが、にも拘わらず株は買われ、債券も買われ、不動産も買われるという状態になっており、極めていびつな状態になっており、これは完全に金融バブルと言えるのです。
このようないびつな状況はいつまで続かないとして動いたのがジョージソロス氏です。
株・債券を売り、金買いに入ったと報じられているのです。

世界経済成長が減速したのなら金融緩和をしたらよいというのは教科書的な政策ですが、それが利かなかったら?と今やなっており、ドイツ以外はどこも借金でこれ以上借金はできないとなっており、ならばどうするか?
マイナス金利を導入したらよいとなり、ヨーロッパや日本でマイナス金利政策が導入されていますが、ではその効果は?あるはずがありません。

ソロス氏は「マイナス金利政策が効果がないのならば金融市場は自ら自浄作用を出してくる」としてバブル崩壊を予想し、実物資産である<金の投資>に切り替えたのです。
今の一オンス1300ドル以下の水準は高値である一オンス2000ドルに比べ極めて安く、まずは一オンス2000ドルを目指し、その後下げの倍返しである一オンス3000ドルを目指すと見ているのかも知れませんが、今後金融バブルが崩壊すれば、金・ダイヤモンド・絵画等の実物資産は急騰することもあり得るのです。

いよいよ実物資産の本領が発揮される時が来ることになります。
膨大な金融緩和マネーが暴れ出すまでそう時間は掛からないかも知れません。

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