大手百貨店4社は、4月の売上高(既存店ベース)が減収だったと発表しています。
1)三越伊勢丹 : -4.4% *免税売上 8.6%減少(2014年10月以降初めて減少)
2)大丸松阪屋 : -6.3% *免税売上 3割減
3)そごう・西武: -3.3%
4)高島屋 : -0.8% :免税売上高32億円(過去最高)
上記の中で三越伊勢丹の内容を詳しく見てみますと、まず売上高ですが、従来の方法で計算される売上高は<-6.1%>となっており、大丸松阪屋と同程度の減収となっていることが分かります。
即ち、三越・伊勢丹・大丸・松阪屋は売り上げを<6%>以上減らしていることになるのです。
6%を超える減収となれば、ほぼ赤字になっているはずです。
≪爆買い≫が8,6%減少していますが、この≪爆買い≫金額が売上に占める比率は僅か<9.4%>であり、これが8.6%減少しましても大した減少にはならず、実態は日本人マダムが買わなくなったことが大きな要因です。
店舗別の売上高を見ますと、『三越銀座』が6.3%減少、『新宿伊勢丹』が3.1%減少、『三越日本橋』が0.7%減少となっており、<銀ブラ族>が立ち寄ります『銀座三越』で上客が飛んだことが分かります。
『銀座三越』は免税フロアーを作り、中国人優遇を打ち出していますが、これが完全に裏目に出てきており、今後中国人が一段と減少すれば、売り上げの減少が10%を超えるのは避けられません。
更に地下の食品売り場を改装し、エスカレーターを降りたところに、メロン・マンゴという高級フルーツを並べ、更に野菜も高級品を並べています。
これに日本人客がついていっていない現状があります。
ただ、一つ明るい材料は三越日本橋本店で、500万円以上の高級時計売上点数が増加していることです。
時計に高級車を買える金額を出す層が増えているのです。
(因みに、500万円以下100万円以上の中程度の時計は前年の60%程にとどまったと発表されています)
これから見える姿は明らかであり、デパートは、如何に日本人富裕層に力を入れるかを考える時に来ていると言えます。
富裕層は株が下がろうが景気が悪化しようが関係なく、気に入れば遊びで500万円以上の時計を買うものであり、その層にターゲットを絞った戦略をとったところが、今後爆買いが消え景気が悪化した時に生き残っているデパートと言えます。