12ケ月連続で落ち込んだ国内企業物価指数と深刻化するデフレ

投稿者: | 2016年04月14日 08:04

日銀が発表しました3月の国内企業物価指数は一年前に比べ<-3.8%>の99.6(22年100)となり12ケ月連続前年同月比を下回っています。
また、27年度の国内企業物価指数は26年度に比べ<-3.2%>の99.0となり、2年連続のマイナスとなり、この99.0という水準は10年ぶりの低水準となっています。

今、日本は消費者物価指数面でデフレが進んでいる以上に企業間取引価格面でデフレが進んでおり、これは立場の強い大企業にとってはそれだけ収益があがるという面もありますが、中堅・中小企業にとっては納入価格の引き下げということにつながり、景況感の悪化という事態になっています。

今後円高が進めば今まで優位にたっていた大企業も収益は悪化することになり、更に国内企業間価格に引き下げに繋がりかねず、企業収益が更に悪化することになります。

今、世界的に企業物価指数(及び卸売り価格指数)が下落傾向となっており、需要がそれだけ不足していることになりますが、本当の理由は需要が不足しているのではなく、リーマンショック後に設備投資を増やし過ぎたのが原因なのです。
景気が拡大し需要が増えるとしてかつ超低金利であり、企業は設備投資を活発化させたのです。
ところが需要は「期待していた」ところまで増えず、気がつけば過剰設備に陥ってしまっていたのです。

今特に中国の鉄鋼・自動車メーカーなどが過剰設備に直面しており、石炭産業でも操業率が3割程度のところや半年以上給料が払われず暴動が発生しているところも出てきており、今や中国は過剰設備・産出のオンパレードとなっており、これをどのように解消させるか、下手をしますと世界経済にも大影響を与えることになります。

今回のG7広島外務大臣会合に中国は猛反発していますが、今後G7が反中国を鮮明にした場合、中国は<元安>に誘導し鉄鋼等の輸出ドライブをかけ、所謂、経済面で報復をしてくる可能性もあります。

中国は<元安>に誘導することで、過剰設備で苦しんでいる鉄鋼・石炭産業は<元安メリット>を受ける訳であり、日本が経験しました<円安・株高>で景気を浮揚させるという状況を作り出すことが出来るのです。

反対に日本を始め先進国は中国発の「デフレ」に直面することになり、経済を浮揚させることが出来ない状態になります。
そして世界中に派遣している「爆買いツアー客」を規制すれば、海外で20数兆円とも言われる中国人の消費を「消滅」させることになるかもしれません。

中国は共産党一党支配の国であり、自由主義国ではないのです。
多くの人はこの面を忘れており、中国はやろうと思えば株式市場の廃止も出来るのです。

中国発のデフレで企業間取引価格が一段と下落することを想定しておくべきだと言えます。

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