ECBの緩和でヨーロッパ株は急騰していましたが、引けにかけて売られ終わり値では急落するという波乱を演じています。
DAX指数
始値 9,697
高値 9,995
安値 9,498
引値 9,498(-2.3%:安値引け)
一時は1万ポイント大台回復まで5ポイントというところまで急騰していましたが、9,995が天井で、そこから怒涛の売りが入り、高値からなんと497ポイント、率にして4.9%も急落し、9,498と安値引けを演じてしまっているのです。
金融緩和で株を買いついた向きは約5%も一日で失い、天国から地獄に突き落とされた状況になっています。
これはドル円相場もそうで、ECB緩和発表で一ドル114円40銭まで円安が進んでいましたが、その後一転今度は112円62銭まで円高になり、現在は1ドル113円17銭となっており、114円50銭の壁を突破できなかったために、一転円高に振れるという大荒れになっていました。
株も為替も完全に「行って来い」状態になっており、何の効果もないどころか、反対に市場に不信感を抱かせる事態になっていました。
ECBはせめて一日くらいは効果は持たせるべきだったのですが、昨夜緩和策発表後に解説しましたが、想定されていた内容であれば、市場は落胆するのは当たりまえであり、かつデフレが更に進んでしまった上での緩和策であれば、本来ならもっと大規模な緩和策を打ち出すべきだったのです。
「余りにも少なく(ちいさく)、あまりにも遅すぎた」
これはバブル崩壊後の日銀の対応を批判したヨーロッパメディアの言葉ですが、今回の緩和策は「余りにもちいさすぎた」と言われるべき緩和策となっており、日銀の過ちをECBを今やっていると言えるのです。
日銀のマイナス金利の導入で日本の金融市場と喧嘩をして、ECBの待ちに待った緩和策は余りにも少なくヨーロッパ市場の失望を買ったとなっており、今や中央銀行は「悪役」になりつつあると言え、これは極めて危険な状態と言えます。
この危険な状態を察知して金が一オンス19ドル余り急上昇しており、市場が金融資産売り・実物資産買いに走ったことが分かります。
毎月、日本で10兆円、ヨーロッパでも10兆円もの中央銀行による国債買い入れが行われている中で効果がないとなればもはや中央銀行はやることがなくなります。
今は、銀行がお金を持っていれば罰金をとる(金利・手数料をとる)中央銀行の政策であり、右足ではアクセルを踏みながら(緩和をしながら)左足ではブレーキを踏んでいる(引き締めしている)のと同じであり、これでは前に進みません。
“ドラギショック”とでもいえる大波乱となりましたが、これで次は?
日本では一万円札の流通が大幅に伸びていますが、これを“封じ込める”政策が政府・日銀内で検討されていることは全く報じられていません。
明日、詳しく解説させて頂きますが、国内需要を作りタンス預金を「パー」にすることが出来る究極の政策が今やいつでも発動が出来るようになっているのは殆ど知られていません。