週末のTV番組で今から100年前に発行された銀行発行の証書がとり上げられていましたが、額面一円が100年後の2000年に1万倍の1万円で戻ってくるという証書でした。
当時の1円の価値からすればその後の貨幣価値の変遷からすれば今は5000万円程に相当するとのことでしたが、償還はあくまでも1万円ということでした。
100年前に1円の証書ではなく、仮に1円金貨に換えていたら今は20万円程の価値になっていますし、良い不動産にしていれば5000万円以上になっていたかもしれません。
国債・預金証書程、貨幣価値の変動に弱いものはなく、以前無効にされた国債や第一銀行発行の社債を入手しましたが、当時物凄い価値を持っていた「証書」が一文の価値もない状態になってしまったのです。
発行された当時は1円が1万円になるのですから子孫に財を残そうとしてお金がある個人は飛びついたのでしょうが、結果は無残な結果となっています。
今、100万円を銀行に預けておいて一年後には10円の利息(ここから税金が引かれます)しかつかない状態になってきており、まさに異常な金融市場になってきています。
以前は「一回時間外にATM利用すれば使用料で利息が消える」と言われていましたが、今やその利息が10年間預けて一回のATM利用にしかならない「異常事態」になってしまったのです。
銀行も生保も運用が出来ず、いまやお金があるだけで負担が増すようになってきている「異常事態」になってきており、このような「異常事態」はいずれ崩壊します。
ではどうやってこの「異常事態」が解消されるのでしょうか?
有り余るお金が適正水準にまで消えればよいだけであり、即ち、株式の大暴落、銀行・生保・ファンドの破たん・消滅となります。
今、株式・FXに投資していた個人が株の急落・円高で続々と資金を失いつつありますが、これが更なる規模を拡大して発生していくことになります。
また保険・損保会社もマイナス金利では運用が出来ず、契約者にお金を返すことが出来なくなる事態も出てきますが、解約を受け付けながら新規の資金受け入れを停止するしか道はありませんが、そうなればどうやって経営を維持できるでしょうか?
もっとも、保険会社・銀行は膨大な含み益をもっていますので、この含み益を取り崩しながら時期を待つしかないと言えますが、規模を物凄く拡大してきた金融機関も多く、経常経費を賄うだけで年間数千億円規模の現金が「流出」することになるかも知れず、いつまでもそのような状態を維持できるものではなく、更に格下げを受ければ、借りている他の金融機関から返済を求められそうなれば一気に資金が詰まります。
日本の金融機関(銀行・生保・損保)はここ数年買収を繰り返し物凄い資産規模になっているところが多く、一旦借入返済を求められれば、途端に資金が詰まることもあり得るのです。
金融市場の異常が破壊まで一気に進むかも知れません。