ニューヨーク市場で原油先物価格が一バーレル2.0ドル急落(-5.56%)し、一バーレル33.97ドルまで下落しています。
一時は一バーレル33.77ドルまで売られ2009年2月以来の安値となっていますが、もっと悲惨な状況になっているのが北海ブレントです。
一バーレル34.48ドルまで売られ、これは2004年7月以来となる水準になるのです。
実に11年半ぶりの安値に沈んでいるのです。
また、天然ガスは2%の下落となっています。
原油はいよいよ一バーレル30ドル割れを視野に入れてきており、天然ガスももはやシェールガスの採掘コストを割り込みはじめていると言われており、カタールやブルネイとチキンレースの様相を呈し始めていると言えます。
どこまで我慢比べが出来るかどうかとなりますが、お金は双方潤沢にある訳であり、しかもガスの噴出を簡単に止めることは出来ない訳であり、今後も供給過剰状態は続きます。
原油もイランとサウジの茶番劇が市場に見透かされており、ホルムズ海峡が閉鎖されるはずがないという見方が圧倒的となっており、サウジとイランとの紛争で一時的に買いあげたファンド等が投げ売りを出しているもので、
中には閉鎖(償還停止)に追い込まれたファンドも出てきていると言われています。
商品ファンドは今や資金流出が止まらず、今後、後になればなるほど償還資金が枯渇し、償還停止となるファンドが続出するかも知れません。
商品ファンドの性質上、2倍、3倍、中には5倍、10倍というレバレッジをかけて取引をしている事例が多く、今日のように天然ガスが2%急落しますと、5倍では10%、10倍では20%もの損を蒙ることになるのです。
原油が5%急落しており、5倍では25%、10倍ではなんと50%も損をすることになるのです。
一瞬で運用資金が枯渇しましても何ら不思議ではないのです。
今、株式市場がふらついていますが、NYダウの動きは以下のようになっています。
+193ドル
-117ドル
-179ドル
-276ドル
+ 9ドル
-252ドル
276ドル急落した後、たった9ドルだけ戻し、そして252ドル下げるという極めて悪い動きをしており、しかも17,000ドル大台を割り込んで引けています。
世界の金融市場がメルトダウンを始めており、しかも、今は大した事件・破たんが起こっていないのです。
それにも拘わらず、ここまで激震が走っているのです。
2016年は覚悟しておいた方が良いと言えますが、財界人の中にはいまだに楽観論が多いのには驚かされます。