中東産ドバイ原油のスポット価格が1バレル1.60ドル下落し29.40ドルまで値下がりしています。
これは11年9カ月ぶりの安値となっており、北海ブレントと同じように11年ぶりの安値となっているものです。
ドバイ産原油は殆ど産出量がなく、この価格は中東産原油価格の指標となっているものですが、サウジなどは一バーレル100ドルで予算を組んでおり、今の30ドル割れでは大幅な歳入欠陥となります。
中南米の産油国では一バーレル150ドルで予算が組まれているとも言われており、今の原油価格では財政赤字は天文学的数字になるかも知れません。
原油相場につきましては一貫して一バーレル30ドル台以下に暴落すると述べてきており、今やそれが現実化してきているものですが、今後の価格は政治の世界に入ります。
政治的駆け引きが行われることになり、一バーレル10ドル割れもあり得ますし、また40ドル、50ドルに戻ることもあり得ます。
仮に妥協が成立せず、最悪の事態になれば一バーレル10ドル割れになり、アメリカのシェール油田は軒並み淘汰されることになりますが、何兆円という金額がこのシェール油田・ガス開発に投入され、それらが不良債権化することになるのです。
また他の産油国も同じように開発等に借金を積み上げてきており、それらは何兆円とは一ケタ違う額になるとも言われており、世界中でオイル・ガス関連の破たんラッシュが起こり、第2位のサブプライムローン問題になるかも知れません。
また今の原油・天然ガスの安値であれば代替エネルギーは採算に合わない事業となり、こちらも淘汰が始まります。
2016年は壮絶な破たんラッシュとなる一年となるかも知れません。