日銀は東北地方の景気判断を引き下げていますが、復興事業である公共投資の伸びが止まり、いわば一本足景気だったものが他の部門が悪化してきたために、景気判断を引き下げたものです。
この引き下げは2014年10月以来17ケ月振りであり、今後じわりじわりと悪化するのは避けられず、東北地方の景気は最悪の場合、底抜けすることもあり得ます。
特に、今、世界的にアップルからの部品注文が激減してきたと言われており、部品生産工場が多い東北地方では、減産の影響から人員整理や最悪の場合工場閉鎖となりかねず、そこに中国経済悪化の影響で建機等の注文も激減しているメーカーも出てきており、生産地としての東北地方は今や不況の直撃を受けているとも言えるのです。
アップル社向けの生産も増える見込みはなく、反対に今残っている受注も切られることもあり得、そうなれば生産調整が深刻化することになり、雇用不安が一気に拡大していくことになります。
観光地としての東北は、北海道新幹線開業で首都圏からは「通過」扱いになりその注目度も下がり、かつ北陸新幹線開業で新鮮さがある北陸にまだ客が向かうとすれば東北は観光地としての立場を失います。
東北地方は公共事業だけが高水準で生き残っていますが、東北は今後「長い冬」を迎えるかもしれません。