泥沼に入り込んだ新日鉄住金? ウジミナス支援

投稿者: | 2016年03月15日 10:59

新日鉄住金は12日、30%弱を出資するブラジル鉄鋼大手ウジミナスに最大10億レアル(約310億円)を追加出資すると発表しています。

このウジミナスは、早ければ今週中に資金繰り破たんが想定されていましたので、破たんを避けるために今回の増資・出資となったのでしょうが、経営は日々悪化していると言われており、2015年12月期には1140億円(36.85億レアル)の赤字になっており、今期は更なる赤字が見込まれているとも言われており、更にこのままいけば新日鉄住金は30%超を出資する筆頭株主のアルゼンチン会社の持ち分を買い取ることになるかも知れません。

そうなれば今まで出資した分の減損会計という事態に発展し、期間利益をすべて吹き飛ばす事態になるかも知れませんし、とんでもない「お荷物」を抱え込むことになりかねません。

今や鉄鋼分野は中国の過剰設備・生産(設備12億トン、生産8億トン)でガタガタになってきており、今や世界中の鉄鋼会社が生き残りをかけた消耗戦に入っている中、新日鉄住金に果たしてそれだけの体力があるでしょうか?

中国の過剰生産は最大で4億トンを超え、これは日本の鉄鋼業界の総生産量の4倍となっており、この過剰生産分の半分である2億トンが輸出に回されるとも言われており、そうなれば世界中で鉄鋼はダンピング合戦となり、経営危機が表面化しているウジミナスは吹き飛ぶこともあり得ますし、新日鉄住金とて安泰とは言えません。

今回の300億円が「死に金」とならなければ良いですが、果たしてどうでしょうか?

 

 

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