今週発表されました数字を見て愕然とした会社経営者や投資家も多かったはずです。
「大丈夫なのか日本経済は?」と。
1.日本船舶輸出組合が発表した2月タンカー・ばら積み船受注数は一年前の14隻から<半減>の7隻となり、輸出船契約実績は前年同月比で<
-37.7%>の38.95万総トンとなり、2カ月連続のマイナス
2. 日本産業機械工業会が発表した1月の産業機械受注額は前年同月比で<-29.6%>の3,884億円
今、日本の輸出は数量ベースで<-9.1%>、金額ベースで<-12.9%>減少しており、日本経済が縮小しているのが明確にわかりますが、上記の数字を見ればそれが具体的に裏付けられるものですが、では先行きは明るいのでしょうか?
以下は撤退・追加出資報道です。
*IHI、日揮、ジャパンマリンユナイテッド(東京・港)の3社は共同で出資するブラジル最大級の造船所から撤退する。
*新日鉄住金は現地鉄鋼大手の経営再建を支援するため追加出資を迫られる。
どれも前向きな報道内容とはなっていないのが分かります。
また、新興国でブラジルは駄目、中国もダメ、唯一経済が好調なインドにかけようという動きもありますが、実態は以下の通りとなっています。
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インド政府が発表した1月の鉱工業生産指数は前年同月比で1.5%低下し、3カ月連続前年割れをしており、企業の投資動向を映す資本財が20%前後低下し続けている。
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新興国経済は先進国経済にとり、物を売る(買って貰える)相手国としてなくてはならない存在であり、更には輸出だけではなく、現地生産を行い地元企業に協力する形で更にビジネスを拡大させるという、<Win・Win>の関係を構築しようとしていましたが、今やそれが破たんしてきており、上記の通り、造船各社は撤退、新日鉄住金はシームレスパイプ等の関係もあり撤退など出来ず更に追加の支援をさせられる、となっており、抜けるには抜けられない事態に追い込まれている事例も出てきているのです。
新興国は今や頼れる存在からお荷物となりつつあると言える存在になってきているのです。
これで日本はやっていけるでしょうか?
また、シャープの買収を見てもわかりますが、日本企業は総額で200兆円以上の内部留保金をもっていると言われていますが、シャープを買収しようとしている鴻海が出すお金は6,000億円であり、日本の大手企業で6,000億円を出してシャープを傘下におさめようとする企業がいないのです。
輸出もダメ、海外合弁事業もダメとなれば、縮小する日本国内で勝負をするしかありませんが、そうなれば労働生産性が低く、高い日本人の給料を削減するしか道はありませんが、ところが通常の形では日本企業は給料等を削減できず、結果シャープを再建しようとする日本企業が出てこない事態になるのです。
シャープは、従業員の給料を半減させれば(または人員を半減させれば)再建も出来るとも言われていますが、日本企業が買収してはこれも不可能であり、外資ならできるのではないかとされているのかも知れません。
日銀がマイナス金利を導入したのも、実体経済がどうやっても上向かせられないために導入したもので本来ならあり得ない手段だったのです。
今、世界的に金融緩和マネーで上げていますが、実態経済が物凄い勢いで沈み始めており、今後このギャップが最大に拡大した時、市場は本格的な崩壊に入り、手が付けられない事態になるはずです。