中国の原油輸入量が一年前に比べ19%増加となり、過去最高を記録したとブルンバーグは伝えています。
この原油輸入急増を受けて、中国の貿易収支は異常な姿を示しています。
輸入 -13.8%(一月は-18.8%)
輸出 -25.4%(一月は-11.2%)
輸出が一月に比べ25.4%マイナスと大幅に落ち込んでいる中、輸入が18.8%マイナスから13.8%減少と落ち方が緩和しているのです。
これはひとえに原油輸入が急増したからですが、需要がない中、原油輸入が急増した理由はなんでしょうか?
一バーレル30ドルを下回る水準を下値とみて中国のトレーダーが買いまくったからでしょうか?
中国の原油取り扱いは国家管轄に入っているとも言われており、トレーダーが何千億円ものポジションを組めるはずがありません。
答えは、産油国への恩を売るための購入だったはずです。
ブラジル、ベネズエラ、メキシコ、ロシア、インドネシア、イラン等の産油国へ恩を売るためにスポット市場で原油を買いまくったと見るのが妥当な筋書きと言えます。
更にはサウジアラビア、UAE等アラブ諸国へも恩を売ることが出来、中国の資金力を使って世界中の産油国へ支援を行ったと見ることが出来るのです。
中国の恐ろしさは、一つのことをするにしましても副次的な作用・効果を狙って動くことであり、それを考えれば原油価格が一バーレル40ドル近い今、今度は反対に利食い売りをだしてきましても何ら不思議ではありません。
下値で買って上値で売り抜けて利益を確定したと同時に、下値で買ったことで産油国に感謝される。
中国はどこまでも強かと言えますが、生き馬の目を抜くとも言われる市場で暴れまわるその姿は、誰もマネが出来るものではありません。