大手ヘッジファンドである【オク・ジフ・キャピタル・マネジメント・グループ】は第4四半期決算で3,610万ドルという初の赤字を計上しています。
総収入は50%減少の3億4280万ドル、成功報酬は84%減少の6,920万ドルとなっており、管理手数料が11%減少の1億4860万ドルとなっており、運用資産が4%減少の455億ドルとなっています。
5兆円を超える運用資産であり、米国債の2%で運用していれば年間1,000億円は収入がありますが、積極的に運用した結果、40億円を超える損を出したもので、ハイリスク・ハイリターンを求めるヘッジファンドの宿命かもしれませんが、年明け1・2月は更に運用環境が悪化しており、このままの状況が続けば資金の引き揚げが続き、運用ができない事態になるヘッジファンドも出てくるかも知れません。
今は新興国経済につきそれほど語られていませんが、実態は極めて厳しくなっており、どこかで株式・為替市場閉鎖という事態に陥ることも近々にあるかも知れません。
物凄い不動産バブルが発生していましたフィリピンは、既に6年4ケ月ぶりの通貨安となっており、これ以上の資金引き揚げが起これば、更に暴落することもあり得、これが他のアジア諸国に広がればアジア通貨安戦争が起こり、そして人民元に流れが向かえば、最悪の場合、中国株式市場が暴落し、これで市場閉鎖・人民元交換停止という事態もあり得ます。
5兆円を運用するファンドが赤字という危機的状況になりつつありますが、何度も指摘しますが、今は「まだ」金融危機は発生していないのです。
金融危機が発生すれば、一体どのような状況になるか。
想像するだけで恐ろしいものがあります。