トランプ・ショックはブラックスワンにあらず

投稿者: | 2025年10月12日 01:39

先週金曜日に、トランプ・ショックが世界中の金融市場を直撃し、S&P500は3分間で7000億ドルの時価総額を失い、仮想通貨市場では、コイングラスのデータによると、過去24時間で190億ドル(約2兆9000億円)超相当の建玉が強制清算、消滅し、160万人強のトレーダーがロスカットに追い込まれたとしていますが、このうち70億ドル超のポジションが10日のわずか1時間内に清算されたとされています。

マルチコイン・キャピタルの主任トレーダー、ブライアン・ストラガッツ氏は清算総額が300億ドルを超えるとの推計もあると述べており、最悪4兆円を超える保証金が消えた可能性があるとしています。

このトランプ・ショックですが、トランプ大統領は、中国政府が導入したレアアース輸出規制に対抗するため、中国製品への100%追加関税を発表した事からは始まっているのです。

中国のレアアース規制ですが、中国は世界のレアアース供給の約70%を支配していますが(中には90%支配している希土類もあります)、中国商務省が先に発表した中国のレアアースを0.1%以上含む製品の輸出にライセンスを義務付ける新規制を発表した事が問題になっているのです。
今回の規制で下手しますとアメリカの自動車産業は壊滅的打撃を受ける事になるかも知れないのです。

今月末の韓国でのAPEC首脳会議の際にトランプ大統領と習近平国家主席が会談し、この問題を話し合うとされていますが、中国側は既報の通り宿泊先の新羅ホテルの貸し切りをキャンセルしており、習近平国家主席が韓国にきましても日帰りとなるとされており、場合によりましてはAPEC首脳会議に習近平国家主席が参加しない可能性も高くなっているのです。
そうなりますと、トランプ大統領も韓国訪問を取りやめる事になり、米中首脳会議が吹き飛び、米中貿易戦争が勃発する事になりかねず、これで世界中の金融市場が大混乱したのです。

日経平均は先物が2900円余り暴落していますが、これは米中貿易戦争と日本国内の政治混乱が理由ですが、悪い事に月曜日は日本は休みとなっており、売るに売れないポジションが火曜日に持ち越される事になれば、日経平均先物はストップ安売気配で張り付き、売れなくなったために現物市場に売りが殺到し、日経平均は一万円近い暴落を演じましても何ら不思議ではありません。

この暴落は10月1日付けマンスリーレポートでも予想しておきましたので、大方の方は、株式、金、銀、プラチナのポジションを外されていると思います。

日経平均は史上最高値を更新していたところに今回の暴落がおそってきたものですが、下げの目処は高値から3割下の大凡3万円くらいかも知れません。
あらゆる金融商品が3割余り下落する可能性があり、金も1オンス4000ドルを超えていましたが、この先1オンス3000ドルを割り込みましても不思議ではありません。

山高ければ谷深し、と昔から言われていますが、今回の暴落はまだ始まったばかりであり、しかもブラックスワン到来ではないために、数日で混乱が収まり再度上昇に転じるかも知れませんが、この上げは騙しの上げであり、最後の逃げ場になります。
なぜなら次にブラックスワンが表面化するからです。
このブラックスワンの本当の姿につきましては、また追って解説させて頂きます。

関連する記事

カテゴリー: NEW