日本の景気(消費支出0.5%減少)

投稿者: | 2016年08月31日 07:52

日経は「夏のボーナス商戦をもってしても消費の停滞感は払拭できなかった」と報じる程、総務省が発表しました【実質消費支出】の-0.5%(一年前に比べ)は衝撃が大きかったと言えます。

特殊な要因(うるう年)を除けば11ケ月連続の減少となっており、今まで株高を演出し消費を拡大させようとしてきた政府・日銀の思惑が完全に崩れたことを意味しているからです。

また、7月はボーナス月であり、今年はボーナスは増えているとの報道もありましたので、7月の消費支出は増えると予想していた政府関係者やアナリストも多くいたはずです。

(この発表一日前に日経平均が大きく買い上げられていましたが、悪い情報が出る前にPKOが発動されるのは常であり、この<-0.5%>ショックを緩和するために事前に買い上げられたと言えます)

今、失業率が改善しているとされ、にも拘わらず消費が低迷しているのは不思議と言われていますが、街で見かける非正規労働者の顔はさえません。

皆、誤った情報に踊らされているからです。

報道で「賃上げ・待遇改善」が行われており、自分も賃上げの恩恵を受けることが出来ると錯覚してしまい、今働いている職場で賃上げを要求しましても大方は断られ、ならばとそこを辞めて他の職場に行く人も多いようですが、そこでも同じような待遇を受け、更には新規ということで3ケ月程研修扱いになり、それまで働いていたところより低い待遇となるところも多く、結果、「自分は何をしたのだろう」と落ち込んでしまっているのです。

勿論、今いる職場での働きを認められて昇給したり待遇の改善を受ける人もいるでしょうが、賃上げ額は時間給で10円、20円程であり、一日8時間働いて100円~200円余りの増加で、20日働きましても2,000円~4,000円の増加にしかならず、これでは実感がわきません。

しかも昇給したからとして、そのような人は今度は仕事を任され余計に忙しくなり、くたくたになり消費する時間さえもない状態になっているのではないでしょうか?

最近夜10時過ぎにスーパーにいきますと以前に比べ来ている人が多くなってきているようであり、レジのベテラン女性に聞きましても「夜10時以降の来店者が増えている」と言っていました。

ところが、売り上げは増えていないそうで、30%引き、50%引きのお惣菜やお弁当や菓子パン、魚の切り身等を買っていくそうで定価のものはほぼ買っていかないと言っていました。

また、サウナのマネージャーと話す機会がありましたが、とにかくスタッフがいつかないと嘆いていましたが、ここなどは非正規で時間給で1,000円程で、最低賃金より高いのですが、25日目一杯働きましても月額20万円程でありここから色々控除されれば手取りは15万円程になりこれではまともに暮らせませんし、重労働の割には低賃金として嫌われているのです。

正社員でも深夜勤務を入れて額面で月額25万円程であり、手取りとなれば20万円そこそことなれば、若い人でいつく人も殆どいません。

ほぼ完全雇用とも言われる失業率3%でも低賃金が解消されませんと消費は増えるはずもありませんが、では非正規労働者が満足に暮らせるだけの賃上げは可能でしょうか?

時間給で1,500円、日給で12,000円となり、月額(週休2日:22日労働)で26万円が基準となれば手取りは22万円程になります。

毎月の家賃は東京では10万円が平均となりますから月に使えるのは12万円となり、スマホ等の通信費が1万円~2万円とすれば、食費・光熱費で10万円しかありません。

時間給で1,500円にアップしてこの状況ですが、実際問題として、外食産業・コンビニ、サービス産業等で1,500円を払える企業はまずないと言えます。

今、スタッフを確保したくて賃上げしたい企業は多くありますが、そのような賃上げをした場合、赤字になり会社を維持できないとなっている企業が殆どではないでしょうか?

コンビニエンスストアやスーパーなどは本体の経営の余裕がありますから、政府系が株を買い集め、経営側に圧力を加え賃上げを思いっきり進めるということも可能でしょうが、そうなれば今度は優秀なスタッフが大手企業に集まり、末端の中小は人がいなくて閉店するという事態もあり得ます。

若年労働人口が減り続けている日本は、あらゆる面で行き詰まりつつあり、いずれ企業は日本でのビジネスから撤退を余儀なくされることになるはずです。

海外で活躍する外食チェーンも多く出てきていますが、このような海外展開を進める企業がいずれ日本部門を閉鎖させることもあり得、そうなった時、日本では非正規労働者の受け皿がなくなることもあり得ます。

消費を継続的に増やす方策はあるか?ですが、「人口減少・高齢化社会」ではまず無理と言え、今後消費分野は外国人に頼るしかないと言えますが、「爆買い」が消えてきている今、果たしてどうなるでしょうか?

 

 

 

 

 

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