中国によるダンピング課税

投稿者: | 2016年07月26日 09:00

アメリカ大統領候補であるトランプ氏によるWTO離脱発言等に代表されるように、今や世界は自由貿易から遠ざかってきており、これは管理された貿易、言い換えれば貿易を制限する社会に戻っていく過程にあると言え、自由貿易で繁栄してきた日本の立場が脅かされていると言えます。
今回、中国は今まで守勢に立たされてきました貿易問題で攻勢に出てきており、今後対先進国貿易を大幅に制限する動きを強めてくるのは避けられず、当該国にとっては極めて憂慮するべき事態と言えます。

今日、中国政府は、日本製の方向性電磁鋼板(輸入量54,300トン)に39%~45.7%の反ダンピング関税を適用することを決めたと発表されていますが、日本以外では対EUが46.3%、対韓国が37.3%となっており、対日制裁ではないのが分かりますが、問題は市場の半分を日本が占め、韓国が42%を占め、EUは殆どシェアがない中、日本と韓国がターゲットになっており、その中で対日制裁関税が韓国より高くなっており、その分日本の競争力が落ちることになりかねないことです。

中国が本格的に貿易を制限し始めれば、当然WTO違反となりますが、アメリカも中国も『WTO?自由貿易?関係ない』となればどうしようもありません。

日本の貿易政策に赤信号が点灯してきています。

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