日本郵政グループのゆうちょ銀行は今後5年程度で国内外の不動産や未公開企業などの代替投資に最大6兆円を振り向けると発表されており、公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)も今年から7兆円を上限に不動産や未公開株投資に入ると言われており、いよいよ日本の金融機関・年金資金が吹き飛ぶ恐れが強くなってきています。
そしてその吹き飛ぶ前に、東京・大阪と言った主要都市のビルのオーナーが郵貯や年金資金となる時が来るのでしょうが、買ったら最後、二度と換金が出来ず、
仮に預金の払い出し要求が殺到した場合、売るに売れない不動産や未公開株を前にどうするのでしょうか?
勿論、「僅か」6兆円であり、100兆円以上ある預かり資金残高からすれば微々たる金額であり、保有する国債を売ったりすれば例え10兆円でも払い出しが出来ますが、問題はその後なのです。
預かり資金が減りつつづける中、換金できない未公開株や不動産の比率が高まれば益々預金者は不安になり払い出し要求が増え、気がつけば預かり資金が50兆円を切る事態も出てくるかも知れません。
そうなればポートフォリオ上、未公開株・不動産保有比率が異常に高くなり、今度は<格下げ>リスクに直面することになります。
今、日本の不動産市場はバブル化しており、買いたくてもまともな土地がなく買えない状態になっており、大阪の一部の土地には相場の2倍、3倍という価格が提示されていると言われており、東京を抜いたとも言われています。
東京はもはやまともなビル・土地の売り物がなく、仕方なしに大阪に資金が向かっているとのことでしたが、その大阪でマンション・ホテル用地が不足しており、売り物があれば買いが殺到していると言われているのです。
和歌山県のリゾート地では大阪の不動産を高値で売却した大阪の不動産会社が土地を買占めに動いており、中国企業も負けじと買い進んでおり、今まであちらこちらにありました売り物件が見事に消えてなくなり、市場にあるのは売るに売れない土地だけと言われるようになっています。
そのようなところに6兆円もゆうちょ銀行が資金を投入すれば、どうなるか火を見るよりも明らかであり、年金資金も併せれば13兆円もの新たな資金が不動産等に投入されれば、今まで見向きもされなかった不動産までも買われるようになります。
不動産を始め実物資産は、不人気の時に買い、人気が出てくるまで何年でも待ち、人気が出てきたところで売却するのが王道と言われており、今後今まで良い不動産を購入してじっと保有してきた企業は今後2年間で一気に利益を確保出来ることになります。
週刊誌では、ダウンタウンのメンバーが新橋のビル用地売却で投資元本が2倍になったと報じられていますが、これなどもじっとその時を待っていた筈であり、
まさに王道を行って成功した事例となります。
郵貯と年金資金が今後2年間で作り出す不動産バブルはそれは壮絶な規模のバブルになるかも知れません。