日経平均は市場を表していないと言われる所以が金曜日の相場でした。
日経平均は79円余り上昇して終わっていましたが、そのうち何と76円が「ファーストリテイリング株」上昇のためだったのです。
日経平均は225銘柄入っていますが、224銘柄で3円しか上昇していない計算になるのです。
*値上り銘柄数は1196銘柄、値下がり銘柄数は600銘柄、変わらずが160銘柄でした。
俗に<日経平均3バカトリオ>とも言われる銘柄がありますが、この3銘柄は超品薄株であり、市場に流通する株数が少なく、買い上げるのは簡単であり、この3銘柄だけ買っていれば日経平均は上昇するからです。
今日は<3バカトリオ>ではなく、僅か1銘柄だけで日経平均を上昇させた訳であり週末の金曜日らしいといえばそうなるのでしょうが、普通に考えて異常な状況になっていたことが分かります。
しかも売買代金が週末にも拘わらず1兆7695億円と1兆8000億円を下回り、売買高も16億7000万株と超閑散となっていたのです。
このような中、アメリカの雇用統計が発表され予想が大きく外れており、ドルが売られ一ドル106円台の円高になっていますが、これでまたレンジ相場が105円ー110円となり、一時は110円ー115円になるかと思われていましたが、打ち返されていました。
ここまで円高が進みますと日経平均はレンジ下限の16,000円下抜けを試すこともあり得ます。
16,000円ー18,000円のレンジを下回りますと、今度は14,000円ー16,000円というレンジになりますので、日経平均を2万円以上で買いついた向きはかなり厳しい状況に追い込まれます。
何故なら30%以上の損を抱えれば、信用取引で買っていれば最大3倍取引ですから損が90%にも達し追証も発生し、資金に余裕がない場合は強制清算となり、破産する事態になりかねないからです。
今後、為替でも、株でも損を膨らませる個人が多く出ることになれば、所謂逆資産効果となり、ただでさえ消費、特に高額商品への需要が減っている中、デーパートは益々苦境に陥ります。
本当の富裕層は株やFXには手を出していませんので全く影響は受けませんが、新興成金や富裕層になろうとしていた中堅の個人は完全に「アウト」となり、没落していくことになります。
そして一ドル100円突破で破産する個人も多く出てきますし、一般サラリーマンも損を膨らませますから日本経済はデフレに戻ることになり、企業業績が赤し、これにより株も暴落し、最悪の場合日経平均で1万円を切ることもあり得ます。
金融市場は危機モードに入りつつあると言えます。