原油高とベネズエラの非常事態宣言

投稿者: | 2016年05月17日 08:17

ベネズエラの左派政権を率いるマドゥロ大統領はアメリカによるクーデター計画があるなどとして60日間の非常事態を宣言していますが、今後の混乱も想定されるとして、原油先物価格が上昇し、これで株が買われています。

今回の非常事態宣言は野党側の罷免要求の動きを封じ込めるために行われたと見るのが妥当ですが、これで国民の間に不満が高まり、より一層混乱が近くなったかも知れません。

年率60%を超えるインフレ、頻発する停電等、経済が破たんしているベネズエラですが、今回の強硬姿勢で暴動が起これば原油生産が止まる可能性もあります。
これは先般のカナダ・アルバータ州のオイルサンド地域の火災で原油価格が上昇したことでも明らかですが、今、原油市場に追い風が吹いており、ヘッジファンドは原油先物への投資を積極化させており、更には金鉱株への投資も積極化させており、今までとは違った動きをしています。

<オイルサンド火災>が沈静化した後、<ベネズエラ非常事態宣言>であり、明らかに原油市場にはフォローの風が吹いているのが分かります。

ただ、いずれも需要には一切関係ないところの話であり、いずれ実需の実態に合わせた価格になるはずであり、今はヘッジファンドや投機筋の動きに翻弄されるはずです。

世界的な原油実需は景気の悪化もあり減少していますが、これからアメリカはガソリン消費が増える時期に入りますので、一見需要が強く見える時期に入ります。
また中国が原油購入を増やしていますが、これは産油国へのアピールとも言われており、当分は原油市場は強含みとなるかも知れません。

関連する記事

カテゴリー: NEW