米保険大手のAIGは、2016年1月~3月期決算を発表し1億8300万ドル、円換算で約200億円の赤字になっています。
この赤字はヘッジファンド投資などで損失が発生したためとされており、『投資の面で不安定な金融市場の影響を被った』と理由づけしていますが、簡単に言えば「リスクをとったところ失敗した」ということになります。
保険会社は現下の低金利・マイナス金利では収益が上がらず、勢いリスクの高い金融商品に手を出すことになりますが、それが裏目に出たということになるのです。
今後このような事例が相次ぐでしょうが問題はヨーロッパです。
「ドイツ銀行」を始めヨーロッパの金融機関は膨大なデリバティブ残高を抱えており、下手しますと一瞬で破たんすることもあり得る状況になっているのです。
スペインの再選挙、ギリシャの支援遅延、ウクライナの破たんリスク、プエルトリコの3度目のデフォルト、ブルンバーグがしきりに報じるアジアのあるタイクーンの数兆円規模の疑惑等々、リスクは市場に山積していますが、市場はまともにそのリスクを見ようとはしておらず、一旦そのリスクが表面化した時には大混乱することもあり得るのです。