今回のオーストラリアへの潜水艦輸出失敗を受けて川崎重工の村山社長は以下のようなコメントを発表しています。
輸出出来るとは考えていなかった
即ち、川崎重工としては政府がいうから話(輸出)には乗っていたが、受注するために積極的に売り込みをしていなかったと吐露しているのです。
実際、オーストラリア側から積極さがみられなかったと指摘されていましたので本当の事態となるのでしょうが、安倍政権だけが潜水艦輸出に邁進し¨浮いていた¨となる構造になっており、まさに企業としては『笛吹けど踊らず』となっていたのです。
では何故川崎重工は腰が引けていたのでしょうか?
答えは内向きになりリスクを取らない経営になっていたのです。
川崎重工はブラジル事業で手痛い失敗をしており、ここでオーストラリアで失敗すれば企業としては持たない事態に陥ると経営陣は判断し、日本国内で今のままやっていけば大きな成長はしないけれども致命的な打撃を受ける失敗もなく、経営陣としてはリスクを取りたくないと判断したはずなのです。
内向きになっていたのです。
また三菱重工の豪華客船事業失敗を見れば海外企業との新規の事業契約はやりたくないと判断したはずなのです。
三菱重工も契約書の不備でここまで損をさせられるとは思ってもいなかったはずであり、慣れない新規の事業はコリゴリとなっているはずなのです。
今や日本全体としてリスクを取って海外展開しようとする企業が減ってきているのも今までの失敗(商社、メーカー等)があるからですが、サラリーマン化してきた企業経営者からすれば、動いて下手に失敗することより現状維持を狙うとなりましても何ら不思議ではありません。
今回の潜水艦輸出は総額で4兆円を超える事業と言われており、失敗しますと川崎重工の経営は持たないと経営陣は判断していたのかも知れませんし、三菱重工も今回の潜水艦輸出でリスクをとれるだけの余裕はありません。
即ち、政府だけが躍り、企業はさめた目で見ていたとなります。
中国に進出した企業が撤退も出来ず、資金の日本還流も出来ず立ち往生している姿を見て、企業経営者なら誰でも『海外案件は手掛けたくない』と思いましても不思議ではありません。