デフレが深刻化するヨーロッパと金融緩和

投稿者: | 2016年03月10日 10:42

ヨーロッパ経済が大変な状態に陥り始めています。

発表になりました2月の消費者物価指数が一年前に比べ<-0.2%>となり、5ケ月ぶりのマイナスに落ち込んできたのです。

*一月は+0.3%

ここまで金融緩和をしましてもデフレが進む状況となっており、まさに異常事態となっていますが、このデフレを受けてECBは以下のような金融緩和策を発表しています。

*政策金利を0%に引き下げ

*中銀預金金利を-0.4%に拡大(今までは-0.3%)

*毎月の国債買い入れを200億ユーロ増やして800億ユーロに拡大

 

これは金融市場が待っていた緩和内容であり、差ほど目新しさはありませんが、為替市場ではドルが買われユーロが売られており、対ドル円相場では一ドル114円台にまで円安が進んできています。

ではこの緩和策が物価引き上げに効果はあるでしょうか?

600億ユーロがダメなら800億ユーロ、そしてその次には800億ユーロがダメなら1,000億ユーロとなり、緩和拡大が永遠に続くのであれば、多少なりとも効果はあるのでしょうが、永遠に緩和策を続けることは不可能であり、かつ緩和拡大を続けることも不可能となります。

そして最大の問題は、今、残りの緩和カードを切ってしまえば、本当の金融危機が襲ってきた場合、打つ手はなくなっているということになるのです。

追加的緩和を平常時の今に行えば、異常時には何ができるでしょうか?

デフレの深化もありECBは追い込まれたことになり、果たして今日一日ユーロ安が持つかどうか。

仮にNY市場でユーロ安が「跳ね返される」ことになれば、ECBの緩和策は「失敗」となります。

関連する記事

カテゴリー: NEW