ヨーロッパ経済が大変な状態に陥り始めています。
発表になりました2月の消費者物価指数が一年前に比べ<-0.2%>となり、5ケ月ぶりのマイナスに落ち込んできたのです。
*一月は+0.3%
ここまで金融緩和をしましてもデフレが進む状況となっており、まさに異常事態となっていますが、このデフレを受けてECBは以下のような金融緩和策を発表しています。
*政策金利を0%に引き下げ
*中銀預金金利を-0.4%に拡大(今までは-0.3%)
*毎月の国債買い入れを200億ユーロ増やして800億ユーロに拡大
これは金融市場が待っていた緩和内容であり、差ほど目新しさはありませんが、為替市場ではドルが買われユーロが売られており、対ドル円相場では一ドル114円台にまで円安が進んできています。
ではこの緩和策が物価引き上げに効果はあるでしょうか?
600億ユーロがダメなら800億ユーロ、そしてその次には800億ユーロがダメなら1,000億ユーロとなり、緩和拡大が永遠に続くのであれば、多少なりとも効果はあるのでしょうが、永遠に緩和策を続けることは不可能であり、かつ緩和拡大を続けることも不可能となります。
そして最大の問題は、今、残りの緩和カードを切ってしまえば、本当の金融危機が襲ってきた場合、打つ手はなくなっているということになるのです。
追加的緩和を平常時の今に行えば、異常時には何ができるでしょうか?
デフレの深化もありECBは追い込まれたことになり、果たして今日一日ユーロ安が持つかどうか。
仮にNY市場でユーロ安が「跳ね返される」ことになれば、ECBの緩和策は「失敗」となります。